ネスレが精密発酵市場に参入する。
ネスレは12日、精密発酵により乳タンパク質を開発する米パーフェクトデイと提携し、アニマルフリーな乳タンパク質を使用した製品開発を模索していることを発表した。
ネスレはアメリカに新たに設立したR+Dアクセラレーターを通じて、今年後半にも、アメリカで同社初となる精密発酵由来製品の試験販売を計画している。
ネスレが精密発酵企業パーフェクトデイと提携
R+Dアクセラレーターの所長を務めるJoanna Yarbrough氏は、「ネスレにとって、アニマルフリーな乳タンパク質を使った最初の製品をR+Dアクセラレーターを通じて試験できることをうれしく思います」とコメントしている。
同氏はさらに、「この部門はまだ歴史が非常に浅いですが、消費者は環境負荷を軽減した製品を求めています。私たちはこの道を当社事業の今後の成長の機会として考えています」と述べ、精密発酵という食品開発における新興技術を重視する考えを示している。
微生物に目的タンパク質の遺伝子を組み込んで、動物と同等のタンパク質を生産する精密発酵は近年、代替タンパク質分野において開発と投資が急速に加速している分野だ。
パーフェクトデイが開発した乳タンパク質は、牛乳に含まれるホエイタンパク質と同等でありながら、生産プロセスで発生する温室効果ガス、消費する水・エネルギーが乳牛由来のタンパク質よりも少なく、持続可能な食品開発手段として注目されている。
スイスのネスレ研究開発チームによって開発された製品は、アメリカのR+Dアクセラレーターを通じて試験運用される。同アクセラレーターは高度に差別化された製品コンセプトを6か月で市場に投入することを目指している。
スタバ、マースに続くネスレの参入
今回の発表により、ネスレはパーフェクトデイの乳タンパク質を採用した大手食品会社に加わった。
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アイキャッチ画像の出典:Nestlé