Foovo Deep

ノルウェー研究評議会が5年間の細胞農業プロジェクトに出資、培養肉・精密発酵による食品開発強化へ

 

ノルウェーの国家研究戦略を決める政府系機関ノルウェー研究評議会(The Research Council of Norway)が、細胞農業による食品の研究開発に資金提供を行った。

このプロジェクトはARRIVALと名付けられ、Nofima(ノルウェー食品・漁業・水産養殖研究所)主導のもと2023年に開始する。培養肉、精密発酵を含む細胞農業技術の開発を進める。

Nofimaは2018年に設立された欧州最大の食品・漁業・水産養殖の研究所とされるノルウェー研究評議会は研究と革新的プロジェクトに投資を行う政府系機関であり、ノルウェー全省庁からの研究資金を管理し、あらゆる研究分野における基礎研究・応用研究とイノベーションに資金を割り当てている。

政府系機関が細胞農業プロジェクトに資金提供を行うことは、ノルウェー政府が培養肉や精密発酵による新しい食品生産を重視している表れと言える。

Nofimaでは現在、2つの細胞農業プロジェクトが進行している。Precisionと今回発表されたARRIVALだ。

Nofimaが進める2つの細胞農業プロジェクト

出典:Onego Bio

Precisionはバイオテクノロジープロセス、スマートセンサー、データ分析ツールを開発することで持続可能な食料生産への貢献を目指すものであり、取り組む3分野の1つに細胞農業が含まれている。Precisionは2021年から2025年まで実施されており、Foundation for Research Levy on Agricultural Products(FFL)から資金提供を受けている。

最近承認された研究プロジェクトARRIVALは、「将来の食料生産のための細胞農業によるバイオテクノロジーの到来」(ARRIVAL of Cellular Agriculture-Enabling biotechnology for Future Food Production)という意味を込めて名付けられたもので、ノルウェー研究評議会から資金提供を受けている。

Nofimaが主導するARRIVALには、Sintef Industryオスロメトロポリタン大学ノルウェー農村地方研究所(Institute for Rural and Regional Research;Ruralis)、ノルウェー技術委員会(The Norwegian Board of Technology)、農業協同組合Nortura ASとその子会社Norilia ASなどが参加している。

「食料生産における革命」:細胞農業

出典:モサミート

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Nofima

 

関連記事

  1. 植物食品のゲームチェンジ:Motif FoodWorksが植物性…
  2. ドバイが次のフードテックハブになる?UAEがドバイにフードテック…
  3. フィンランド発、Hailiaの挑戦:魚の副産物から人間用のスマー…
  4. ダノンが精密発酵企業Imagindairyに出資、細胞農業企業で…
  5. 香港グリーン・マンデーが約73億円の資金調達に成功、年内に広東に…
  6. 大手食品メーカーの精密発酵食品への参入・販売状況【Foovo独自…
  7. ショウジョウバエで成長因子を開発し、培養肉のコスト削減に挑むFu…
  8. フードテックの祭典Smart Kitchen Summit 20…

精密発酵レポート好評販売中

おすすめ記事

培養肉企業のパイオニア、モサミートがオランダに培養肉工場を開設

オランダを拠点とする培養肉企業モサミートは今月、オランダ、マーストリヒトに2,7…

分子農業スタートアップMiruku創業者に聞く「ベニバナによる乳製品生産の再構築」

植物を「ミニ工場」として特定成分を作る分子農業が注目されている。代替タン…

米ビヨンドミート、植物ステーキ肉の年内発売を計画

植物肉を展開する米ビヨンドミートが今年後半に植物由来ステーキ肉の発売を予定してい…

オーストラリアのCauldronが約9.3億円を調達、「より小さく、よりスマートな」アジア最大の精密発酵施設ネットワーク構築へ

オーストラリアに新たに設立された精密発酵スタートアップのCauldronは先月、…

酵母で油脂を開発するMelt&Marbleが約9600万円のシード資金を調達

発酵技術により油脂を開発するスウェーデン企業Melt&Marbleが、シ…

植物性チーズを開発するスウェーデン企業Stockeld Dreamery、今年前半に初商品の発売へ

植物性チーズのシェアは大きくないが、代替チーズに取り組む企業は増えつつある。…

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

精密発酵レポート好評販売中

Foovoの記事作成方針に関しまして

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

Foovo Deepのご案内

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

▼運営者・佐藤あゆみ▼

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(07/26 13:09時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(07/26 22:36時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(07/27 02:20時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(07/26 19:03時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(07/26 11:34時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(07/26 22:02時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP