二酸化炭素と微生物を活用して代替タンパク質ソレインを開発するソーラーフーズ(Solar Foods)は26日、シンガポール食品庁(SFA)からソレインを含む食品の販売認可を取得したことを発表した。
ソーラーフーズ、シンガポールでソレインの販売認可を取得
ソレインは、二酸化炭素、水素、酸素、少量の栄養素を微生物に供給するバイオプロセスにより生成される単細胞タンパク質(SCP)となる。
単細胞タンパク質は微生物タンパク質とも呼ばれ、細菌や酵母など微生物の体内に含まれるタンパク質を指す。通常、メタンや糖類を栄養源に使うが、ソーラーフーズは二酸化炭素を使用する。
ソレインはすべての必須アミノ酸を含むタンパク質が豊富な粉末であり、代替乳製品、代替肉、スナック、ドリンク、麺、パスタ、パンやスプレッドなど、さまざまな食品に代替タンパク質として使用できるという。
1kgの牛肉を生産するには、360㎡の土地と130,000L以上の水が必要となるが、ソレインの生産ではこの0.1%の土地と1%の水ですむ。ソレインの商用生産によって、砂漠、北極、宇宙など以前は生産が不可能だった地域でも食料を生産できるようになる。
ソーラーフーズCEOのPasi Vainikka氏は、「これはジャガイモの発見に例えられます。私たちは全く新しい食材を食の世界にもたらそうとしています。これは、食べ物に関する考え方にとって重大な分岐点となるでしょう」と述べ、ソレインの販売認可取得を「ジャガイモの発見に匹敵する」歴史的瞬間だと考えている。
2024年にソレインの商用生産を開始
フィンランドを拠点とするソーラーフーズは、2021年9月にSFAへ新規食品申請を行った。シンガポールはソレインの販売を認めた最初の国となるが、ソーラーフーズは第2の市場進出に向けてすでに動き始めている。
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アイキャッチ画像の出典:Solar Foods