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微生物でタンパク質を開発するNature’s Fyndが約385億円を調達、年内に小売で販売、来年はアジアへ

 

熱水泉に生息する極限環境微生物を使用して代替タンパク質Fyを開発する米Nature’s FyndがシリーズCで3億5000万ドル(約385億円)を調達した。

このラウンドはソフトバンク・ビジョンファンド2が主導し、Blackstone Strategic Partners、Balyasny Asset Management、Hillhouse Investment、EDBI、SK Inc、Hongkouが新たに参加した。

Nature’s Fyndは調達した資金で、生産能力を高め、パートナー企業にFyを提供し、朝食から夕食まであらゆる食品へとポートフォリオを拡大するなど、成長を加速させる。

また、今年後半には一部小売でFyを使った代替肉や代替乳製品を販売し、来年にはアジアに焦点をあてた海外進出を目指す。

イエローストーン国立公園の熱水泉 出典:Nature’s Fynd

Nature’s Fyndはアメリカのイエローストーン国立公園の熱水泉に生息する極限環境微生物を使用して、代替タンパク質Fyを開発している。

具体的には、Fusarium strain flavolapisと呼ばれる極限環境微生物由来の菌類(真菌)を発酵させてFyをつくる。独自の発酵技術で発酵させたFyは、固形、液体、粉末に形状を変えることができる。

Nature’s Fyndのタンパク質Fyは畜産と比べ、使用する土地は1%、排出する温室効果ガスは1%、使用する水は13%ですむ。土地利用の効率性は動物性タンパク質の3.6倍、植物性タンパク質の1.8倍だという。

Fyはタンパク質を45%以上、食物繊維を25-35%、脂質を5-10%含み、9つの必須アミノ酸、食物繊維、カルシウム、ビタミンを含んだ完全なタンパク質。肉や乳製品などアニマルフリーな代替食品を作ることができる。

出典:Nature’s Fynd

今年2月には、初商品となるFyを使ったクリームチーズとバーガー用パテを期間限定で発売し、1日で完売となった。このほか、Fyを使ったアニマルフリーなヨーグルトを開発し、同社の出資者であるビル・ゲイツ氏とアンダーソン・クーパー氏が番組「60 Minutes」で試食する様子が放映された。

7月にはGRAS自己認証に対しFDAが「異議なし」と回答、FDAからFyの安全性について「お墨付き」を得ている。

FDAによる回答では、微生物をもとに作られたタンパク質Fyは、代替肉、代替乳製品、果物・野菜ジュース、穀類・パスタ類、焼き菓子、スープなどの原料として安全に使用できることが示されている。

プレスリリースによると、Nature’s Fyndは、シカゴのユニオン・ストックヤードに設置した新しい最先端施設で、ロボット工学と自動化によりFyを工業規模で成長させることに成功している。

今年後半には一部小売でFyを使った商品を販売し、来年にはアジアにも進出していく構えだ。

CEO・共同創業者のThomas Jonas氏は、アジアには「持続可能なタンパク質に対するかなりの需要がある」とコメントし、小売、ファーストフードなどに向けて複数のブランドと提携していく考えを示している。

CEOのThomas Jonas氏 出典:Nature’s Fynd

去年、Nature’s Fyndは中国本土と香港における承認取得に向けて規制当局と協議していることを明らかにしていた。

Nature’s Fyndのように微生物を発酵させて代替タンパク質を作る領域は、代替タンパク質の第3の柱と呼ばれ、近年、投資額・参入企業ともに急増している。

Nature’s Fyndのほかには、菌糸体を使ってステーキ肉を開発するMeati Foods、ベーコンを開発するAtlast Foodなどがおり、いずれも今年になってから資金調達を実施している。

微生物を活用して代替タンパク質を開発する企業は世界に51社あり、その半数以上となる28社はこの2年に登場している。

2020年にはこの領域には5億9000万ドルの投資が集中し、前年比2倍となったことからも、注目度の高さがうかがえる。

出典:Nature’s Fynd

Nature’s Fyndの今回の調達は、昨年12月の約46億円に続くもの。同社の登場は2009年にさかのぼる。

NASAが支援する研究プロジェクトに従事ししていた科学者Mark Kozubal氏は、極限環境で生息する微生物を発見する。

この微生物は「Fusarium strain flavolapis」と名付けられ、Nature’s Fyndがタンパク質Fyを作るための原材料となった。2016年にThomas Jonas氏、Mark Kozubal氏が共同でNature’s Fyndを設立した。

同社はビル・ゲイツ氏、ジェフ・ベゾス氏、アル・ゴア氏などのファンドから出資を受けており、クランチベースによると、これまでに5億800万ドル(約559億円)を調達している。

 

参考記事

Nature’s Fynd Raises $350M Series C for its Microbial Protein

Nature’s Fynd Gears Up For 2022 Global Fungi Protein Launch After $350M Raise

 

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アイキャッチ画像の出典:Nature’s Fynd

 

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