Foovo Deep

Mycorena、マイコプロテイン由来のバター試作品を発表

 

マイコプロテインを活用した代替肉を製造、販売するスウェーデン企業Mycorenaが、代替乳製品にも参入する。

同社は先月、マイコプロテインを使ったバターの試作品を発表した。このニュースは昨年発表された菌類由来油脂の発表に続くブレイクスルーとなる。

マイコプロテイン由来バターの試作品は6ヶ月にわたる集中的な研究開発の成果であり、Mycorenaが今年開発した特許出願中の新しい独自プロセスにより可能になったという。

Mycorena、マイコプロテイン由来のバター試作品を発表

出典:Mycorena

Mycorenaは現在、この技術を応用できる可能性を模索しており、まもなく新製品の試作品を発表するという。新しいプロセスにより、高脂肪乳製品に代わる、持続可能なさまざまな製品を製造できるようになる。新プロセスで開発される最初の消費者向け製品はバターになる可能性が高いという。

Mycorenaはスウェーデンで、マイコプロテイン由来の代替肉製品をすでに上市している。えんどう豆で植物肉を展開するPeas of Heavenが自社の植物肉原料の一部をMycorenaのマイコプロテイン「Promyc」に置き換えた製品をリリースするなど、植物肉業界への導入も進んでいる。

同社は先月、スウェーデン、ヨーテボリにあるパイロット工場を拡張したことを発表した。拡張により、同工場は欧州で稼働しているマイコプロテインのパイロット工場では最大規模の施設となった。

代替バターに焦点をあてる理由

菌類由来の油脂 出典:Mycorena

Mycorenaは代替肉に続き、この半年、乳製品領域への応用に向けて集中的な研究開発を行ってきた。乳製品の代替を目指すスタートアップの多くがチーズをターゲットとするが、Mycorenaはなぜバターを選択したのか?

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Mycorena

 

関連記事

  1. フューチャーミートが世界で初めて培養羊肉を生産、年内に米生産施設…
  2. 米培養肉Upside Foods、培養肉用のアニマルフリーな増殖…
  3. 培養ウナギ肉の開発に取り組む北里大学・池田大介准教授にインタビュ…
  4. Kikka Sushiが米ホールフーズで植物性のビーガン寿司を発…
  5. 廃棄パンからクラフトビールを作る香港企業Breer、4名の香港大…
  6. Hyphenが世界初のロボットメイクラインを発売、レストラン作業…
  7. 米Lypid、独自のビーガン脂肪を使用した代替豚バラ肉Lypid…
  8. 【現地レポ】シンガポールで培養ウズラ肉を実食|Vowの「Forg…

おすすめ記事

菌糸体からベーコンを開発する米MyForest Foods、年産約1300トンの新工場を開設

菌糸体を使って代替ベーコンを開発する米MyForest Foodsは先月、新工場…

ブラジル企業Cellva Ingredients、培養豚脂肪に続き、コーヒー副産物から代替甘味料の開発へ

ブラジルのフードテック企業Cellva Ingredientsは代替甘味料の開発…

植物食品のゲームチェンジ:Motif FoodWorksが植物性の伸びるチーズと霜降り肉技術の使用権を獲得

Motif FoodWorksは植物肉・植物チーズをより本物に近づける技術の独占…

乳業大手フォンテラとDSMが精密発酵スタートアップ設立を発表

ニュージーランドの大手乳業メーカー・フォンテラ(Fonterra)とオランダ大手…

Avant Meatsが中国バイオ医薬品企業QuaCellと提携、培養魚の生産コスト90%削減を発表

Avant Meatsは培養タンパク質の生産コストを90%削減することに成功した…

デンマークの精密発酵企業21st.BIO、持続可能な乳タンパク質生産を可能にするB2Bプラットフォームの提供を発表

デンマークの精密発酵企業21st.BIOは食品・原料メーカーに向けて、乳タンパク…

精密発酵レポート・予約注文開始のお知らせ

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovo Deepのご案内

精密発酵レポート・予約注文開始のお知らせ

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoの記事作成方針に関しまして

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

▼運営者・佐藤あゆみ▼

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(09/14 13:37時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(09/14 23:06時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,940円(09/15 02:47時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
2,156円(09/14 19:29時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(09/14 11:51時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(09/14 22:27時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP