Foovo Deep

微細藻類で代替シーフード市場を目指すカナダのSmallfood

 

カナダ企業Smallfoodは独自の微細藻類株とバイオマス発酵プロセスにより、わずか7日間で生産できる微細藻類タンパク質を開発してきた。

同社は現在、タンパク質・DHA・自然な魚介の風味を備えたタンパク質原料で代替シーフード市場をターゲットにしている。

2018年に設立された同社は、10年の歳月と2,000万ドルを超える研究費を費やして、2万を超える微生物を発見した後、「より完璧な成分」を生成する微細藻類株を見出した。Smallfoodは独自のバイオマス発酵技術を用いて、世界の食料供給のあり方を進化させようとしている。

7日間で製造できる微細藻類タンパク質

出典:Smallfood

植物タンパク質の生産に通常7-9ヵ月かかるのに比べ、Smallfoodのタンパク質生産にかかる時間はわずか7日間

製造において水の使用は養殖魚の160分の1、温室効果ガスは牛肉の30分の1、使用する土地はエンドウ豆タンパク質の16分の1と、必要な資源が少ないのも特徴だ。さらに、植物タンパク質や牛肉に匹敵したアミノ酸組成を有している。

Smallfoodのファクトシートによると、このタンパク質は溶解性に優れ、ドリンク、食品、サプリメント、プロテインバー、代替肉など用途は多様だ。

代替シーフード用途では、タンパク質、オメガ3脂肪酸であるDHA、自然な魚介の風味を備えたタンパク質原料「Protein-Rich DHA Complex」を使用している。

昨年披露されたクラブケーキ 出典:Smallfood

Vegconomistの報道によると、同社はこれまでプラントベース食品、ペットフード、サプリメント業界に向けた原料の開発に重点を置いてきたが、代替シーフード企業からの関心の高まりを受けて、テクスチャ加工された製品の開発にも着手しているという。

その1例が、昨年Devour Food & Film Festival披露された、Smallfoodの微細藻類タンパク質を使用して作ったクラブケーキだと思われる(上記写真)。

独自のプロセスと微細藻類株

出典:Smallfood

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Smallfood

 

関連記事

  1. 二酸化炭素からタンパク質を作る米NovoNutrientsが約2…
  2. 独自ヘムを開発する豪代替肉v2foodが約58億円を調達、中国・…
  3. 独Nosh Biofoodsが赤身肉のようなマイコプロテインの開…
  4. Umami BioworksとCell AgriTech、東南ア…
  5. 筑波大学の萩原大祐准教授、麹菌による代替肉の事業化に向けてクラウ…
  6. EUから出資を受けるドイツの微細藻類スタートアップQuazy F…
  7. ドイツの培養シーフードのBLUU Seafood、歴史ある香辛料…
  8. MycorenaとRevo Foodsが3Dプリント用マイコプロ…

おすすめ記事

アメリカミズアブ由来のタンパク質・油脂を開発するVolare、今年大型工場の建設を開始

フィンランドのスタートアップ企業Volareはアメリカミズアブ(BSF)を活用し…

会員権をNFTにした世界初のレストラン「Flyfish Club」、2023年ニューヨークにオープン

VCRグループが先月、世界初のNFTレストラン「Flyfish Club」を来年…

カナダのBurcon NutraScienceはヒマワリの圧搾粕から高純度なタンパク質を生産

カナダのBurcon NutraScienceはヒマワリの種から高品質なタンパク…

コーヒー豆の品質評価を自動化するDemetriaが約3億2千万円を調達

コーヒー豆の品質評価を自動化するDemetriaがシードラウンドで300万ドル(…

ダノンとBrightseedが提携を拡大、AIを活用して植物の隠された可能性を追求

世界大手の食品・飲料企業ダノンはバイオテック企業Brightseedとの提携を拡…

オランダのNoPalm Ingredients、酵母由来油脂のデモ工場建設計画を発表|2026年後半に生産開始へ

出典:NoPalm Ingredients酵母を用いた微生物発酵で代替油脂を開発するオランダのN…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(12/13 16:23時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(12/14 03:04時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(12/14 06:39時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(12/13 22:24時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(12/14 14:23時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(12/14 01:44時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP