精密発酵によりペットフードを開発する米Bond Pet Foodsが、精密発酵で製造された最初の動物タンパク質2トンをペットフード会社Hill’s Pet Nutritionに納品したことを発表した。
Hill’s Pet Nutritionは規制当局の承認取得と市場評価に向けて、精密発酵由来のペットフードを使用してテスト製品を生成する。
精密発酵は、ヒトインスリン、チーズ製造で使用されるキモシン、ビタミンB12などさまざまな成分開発に使用されてきたもので、私たちの身近にある歴史のある技術だ。精密発酵によるタンパク質開発が盛んになるなか、2017年設立のBond Pet Foodsは精密発酵技術でペットフード開発に取り組んだ最初の企業となる。
2トンの動物タンパク質を製造・納品したことは、ペットフード用途の精密発酵技術の商用化に向けた大きな一歩となる。
Hill’s Pet Nutritionは動物タンパク質を使用してさまざまな製品を配合し、得られたデータを、アメリカ食品医薬品局(FDA)の獣医学センターによる最終的な審査と、市場評価用のプロトタイプの準備に使用する。
精密発酵ペットフードに注力する米Bond Pet Foods
Bond Pet Foodsは2020年5月、乾燥酵母を使った最初のアニマルフリーなペットフード「Dog Treat Bar」を発売した。その後、「Dog Treat Bar」の発売を中止し、精密発酵由来ペットフードの開発・商用化に注力することを決めた。
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アイキャッチ画像の出典:Bond Pet Foods