動物に依存することなく、細胞農業により動物由来と同等のコラーゲンを開発する米Jellatechが新たに資金調達を実施した。プレスリリースによると、応募超過となったシードラウンドで350万ドル(約5億円)を調達した。
コラーゲンは医療、健康、パーソナルケア、美容、素材、食品、飲料業界と幅広く使用されているが、これまで動物の皮、骨、結合組織などから供給されていた。最近の調査では、ブラジルの熱帯雨林の破壊要因となっている農場で飼育された何万頭もの牛が、コラーゲンの生産に使用されていることが判明している。
こうしたコラーゲンが抱える持続不可能な点に早くから着目したのが、ノースカロライナ州に拠点を置くJellatechだ。
2020年設立のJellatechは昨年、独自の細胞株を使用し、三重らせんで機能的な全長コラーゲンの生産に成功。今年3月にはこれまでのウシ、豚に加えて、ヒト全長コラーゲンの開発に成功している。
Jellatechが約5億円のシード資金を調達
Jellatechは細胞農業により、天然コラーゲンの生産プロセスから動物を排除し、より持続可能な高品質コラーゲンの生産を目指している。
Jellatechの技術は、細胞由来コラーゲンが2022年には94億ドル規模に達した世界のコラーゲン市場を破壊し、従来のコラーゲン生産に伴う二酸化炭素排出量を大幅に削減する可能性を秘めている。コラーゲンはJellatechの最初のターゲットであり、今後も開発対象を拡大していく予定だ。
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アイキャッチ画像の出典:Jellatech