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オーストラリアv2foodが約57億円を資金調達、植物性代替肉でアジア進出を加速

 

このニュースのポイント

 

●オーストラリアの植物肉スタートアップv2foodが約57億円を調達

●生産規模の拡張、アジア展開を狙う

●主力製品はバーガー用パテv2burgerと植物性牛ひき肉v2mince

 

 

オーストラリアの植物性代替肉スタートアップv2foodがシリーズBラウンドで5500万ドル(約57億円)の資金調達に成功した。

香港を拠点とするベンチャーキャピタルHorizons Ventures、シンガポールの政府系投資会社テマセク・ホールディングス、ABC World Asia、セコイア・キャピタル・チャイナ、チャイナ・ルネッサンス・ホールディングス(華興資本控股有限公司)、中国の食品メーカーEsenagroなどが主導した。

今回の調達をうけ、v2foodがこれまでに調達した資金は総額8000万ドル(約83億円)となる

v2foodは2019年に設立された、シドニーを拠点とする植物性代替肉のスタートアップ。主な原材料は大豆

今回調達した資金は、ウォドンガを拠点とする生産施設の建設完成のほか、アジア市場への参入にあてる予定

出典:v2food

v2foodの主力製品は、v2minceとv2burger

同社の植物性パテのデビューは2019年10月。オーストラリアHungary Jack’sの人気商品Rebel Whopperにv2foodの植物性パテが採用された。

その後、同社はオリジナル商品となるv2バーガーをシドニーのSoul Burgerでリリース。今年2月には海外展開に成功し、ニュージーランドのバーガーキングで提供を開始した。

出典:v2food

出典:v2food

8月にはオーストラリアのスーパーマーケットDrakesで販売が開始9月にオーストラリアの小売大手ウールワース600店舗でV2foodの商品の取り扱いを開始するなど、外食に加え、小売業にも着実に進出している。

v2foodが狙うのはアジア、特に中国市場だと考えられる。

ネスレは植物肉の生産を発表、2020年末までに植物性代替肉の発売する方針。

アメリカの植物性代替肉の代表格ビヨンドミートは、KFC、ピザハットなどに自社バーガーを導入するため、中国最大の外食企業ヤム・チャイナと提携している。ビヨンドはさらに、2021年はじめに上海近郊で工場建設を予定しており、代替肉の現地生産に向けて着実に動きだしている。

同じく代替肉の代表格インポッシブルフーズは規制のために中国本土へはまだ進出していないものの、シンガポール、香港の小売で10月から販売を開始している。

中国のスタートアップHey Maetは8月に資金調達に成功、上海近郊に生産設備建設を予定している。

代替肉オムニポークで有名なグリーンマンデーは9月に約73億円の資金調達に成功香港のマクドナルドセブンイレブンでの取り扱いを開始するなど、アジアでの存在感を急速に強めている。

参考記事

Australian Plant Meat Startup v2food Closes Record US$55M Series B To Gear Up For Asia Launch

Australian Fake-Meat Maker Raises $55 Million From Goldman, Temasek

アイキャッチ画像の出典:v2food

 

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