代替プロテイン

ピーナッツから代替肉を作る中国企業HaoFood、2021年に中国レストランで販売予定

 

このニュースのポイント

 

ピーナッツを原材料にタンパク質を作る中国スタートアップが登場

2021年に100の中国現地レストランで提供予定

●最初の商品は、中国・日本・インドネシア向けのチキンとなる予定

 

 

代替タンパク質に取り組む企業が中国で次々に登場している。

大豆とえんどう豆を原料にするHey MaetHero Protein、香港発のTN Meatはいずれも2020年に誕生したスタートアップ。

この中に、新たに1社加わったのが上海発のHaoFood

この会社は大豆やえんどう豆ではなく、ピーナッツから代替タンパク質を開発しており、2021年には中国での市販化を目指している。

終わらないジレンマに終止符を打つために

地球上で人が住める場所の45%が畜産のために使われ、さらに10%が家畜に与える飼料を育てるために使われている。

家畜を飼育するため必要な農地は全体の77%に達し、人が食べる食料を育てるための農地は全体のわずか23%にすぎない。家畜は農地の大部分を使うにも関わらず、家畜由来のタンパク質は全体の37%にすぎない。

このように、「肉」を人が食べるために、不釣り合いなほど多くの土地が使われている

肉を食べるのを止められないために起こる、終わることのないジレンマに終止符を打つために、新しい代替肉スタートアップが次々と誕生している。

その中に、上海を拠点とするHaoFoodがいる。

創業者4名のうち3名が女性の、2020年に誕生した中国スタートアップだ。

代替タンパク質といえば、原材料に大豆やえんどう豆を作る企業が多いが、HaoFoodが使うのはピーナッツ

世界で初めて原材料にピーナッツを使用する代替タンパク質企業が誕生した。

ピーナッツからタンパク質を作るHaoFood

出典:HaoFood

HaoFood はピーナッツを主な原材料に、チキンや他の代替肉を開発している。

最初の商品は、アジア料理向けのフライドチキンで、中国人に向けた屋台用フライドチキン、日本のチキンカツ、インドネシア料理用のフライドチキン(ayam geprek)をリリース予定。

最初の試作品の開発は完了しており、ピーナッツをベースに、ココナッツオイル、じゃがいも、藻類、キノア、とうもろこしを原料としている。

HaoFoodは現在、商品の改良に取り組んでいる。改良後、中国市場への投入、生産・流通のインフラ構築に着手するという。

来年には現地の100のレストランで商品を提供し、1年間で35万ドル(約3600万円)の収益を得たいとしている。

最終的には、2回のラウンドで資金調達し、自社の研究施設を持てるようにしたいと語っている。

3つの特許を出願する予定で、実施している市場テストでは、5つ星の評価を獲得したいとしている。

 

中国の躍進が止まらない代替タンパク質市場について、さらに知りたい方はこちらの記事も見てみよう。

 

参考記事

HaoFood: This Shanghai Food Tech Makes Asian Fried Chicken From Peanuts

 

関連記事

 

アイキャッチ画像の出典:HaoFood

 

関連記事

  1. Nature’s Fyndが菌類由来の代替肉を米ホー…
  2. インポッシブルフーズが開発中の代替ミルク・Impossible …
  3. 酵母由来ミルク「LIKE MILK」テスト販売開始──実際に飲ん…
  4. Juicy Marblesが植物由来の骨付きリブ肉の開発に成功、…
  5. Planetaryのマイコプロテイン製品、ALDI SUISSE…
  6. アレフ・ファームズが培養ステーキ肉「Petit Steak」を発…
  7. ビールの醸造で発生する廃棄大麦をアップサイクルするReGrain…
  8. スペインのLibre Foodsが菌糸体由来の代替鶏胸肉を発表、…

おすすめ記事

ブラジルのマイコプロテイン企業Typcal、ブラジル州政府から助成金を獲得

ブラジルのマイコプロテイン企業Typcalはブラジル・パラナ州政府のプログラムP…

英Fermtech、ビール粕×麹菌でゼロカーボンな代替タンパク質を開発

2025年3月25日:本記事で参照した公式リンクの内容はその後大きく変更されておりますが、記事内では…

小麦胚芽由来の低コスト成長因子を開発する名大発スタートアップNUProteinの挑戦

食糧危機・環境問題の解決策として期待される培養肉の生産コスト低減を目指して、コム…

イスラエルのImagindairyは精密発酵でアニマルフリーな乳製品を開発

微生物発酵技術によるアニマルフリーな乳製品開発が盛り上がる中、イスラエルのスター…

イスラエルのDairyX、精密発酵技術で自己組織化するカゼインミセルの生産方法を開発

2022年に設立されたイスラエルのスタートアップ企業DairyXは今月、精密発酵…

パーソナライズ化された次世代自販機のBolkが約5億円のシード資金を調達

次世代自販機を開発するBolkが、シードラウンドで400万ユーロ(約5億2000…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(11/01 16:12時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(11/02 02:47時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(11/02 06:19時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(11/01 22:11時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(11/01 14:11時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(11/02 01:30時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP