カリフォルニア、ウェスト・ハリウッドに新しい移動型スーパー「Robomart(ロボマート)」が登場した。
スタートアップ企業Robomartが開発した移動型スーパーは、買いたい時にアプリで呼ぶことのできる販売車。
専用アプリを開くと、付近にいるロボマートが表示され、ロボマートにある商品をアプリで確認できる。
アプリをタップして、ロボマートを呼ぶと、10分以内にロボマートが自宅に到着する。到着したら、顧客は買いたい商品を選ぶ。
アプリでスワイプするだけで車両のドアが開くので、顧客自ら開ける必要はない。
REIDにより、商品を選ぶだけで合計金額が計算され、クレジットカードに自動で請求される。購入したレシートはアプリに表示される仕組みとなっている。
つまり、買い物かごも、会計も、手間も一切ない新しいショッピングテクノロジーとなる。
動画ではロボマートをアプリで呼び、到着後に車両前で商品をピックアップし、買い物完了するまでの流れを確認できる。
1回の手数料は2ドルで、車両に並ぶ商品の価格は、実店舗にあるものと同等だという。
ロボマートは当初、完全に自律化された移動型スーパーを想定していたが、現在のバージョンは人間が運転するタイプとなる。
自動運転車による運営が実現するのはまだ先となるが、現バージョンでも、ドライバーは顧客と対話しないため、コロナ社会にマッチした形態といえる。
ロボマートはこのほど、「ドラッグストアロボマート(Pharmacy Robomart)」と「スナックロボマート(Snacks Robomart)」の2つのバージョンの発売を発表した。
「ドラッグストアロボマート」では、シャンプー、スキンケア、医薬品、バッテリーなどの薬を含む日用品が販売される。
「スナックロボマート」では、ポテトチップなどの菓子類や、ドリンクが取り扱われており、果物、野菜、冷蔵食品も販売する「食料品ロボマート(Grocery Robomart)」バージョンも開発中だという。
今後数ヵ月以内で、食堂車、デリ、カフェなどのバージョンにもラインナップを拡大したいと考えている。
ロボマートがもたらすメリットにはさまざまなものがある。
まず、セブンイレブン、ローソンなどコンビニ店舗が「待っている形態」から、顧客のいるところへ行けるようになること。
コンビニ各社がロボマートと提携することで、実店舗を減らしても、収益を維持できるかもしれない。これは飲食店にとって、コスト削減に寄与しないだろうか。
もう1つ考えられるのが、体が弱り、自分で買い物へ行けない高齢者にとって、日用品・食料品の調達が楽になること。
自宅前までやってきてくれるロボマートであれば、買い物代行に頼る必要はなくなる。
ロボマートの創業者でありCEOのAli Ahmed氏は、完全に自律化された移動型スーパーの構想を持っており、プロトタイプをすでに開発したことを海外メディアThe Spoon誌に語っている。
「未来のビジョンを示すために無人ロボマートを開発しています。
規制が追い付くにつれて、今後数年には無人車両をさらに増やしていく予定です。」(創業者兼CEOのAli Ahmed氏)
クランチベースによると、ロボマートは2017年に設立されたカリフォルニア、サンタモニカを拠点とするスタートアップ企業。
直近のラウンドは2021年4月のシードラウンドとなる(調達総額は非公開)。
参考記事
‘Store-Hailing’ Startup Robomart Launches Fleet of Mobile Mini-marts in West Hollywood
アイキャッチ画像の出典:Robomart