着色料

FDAがSensientのチョウマメ由来の青色着色料を承認

 

FDAがSensientのチョウマメ由来の抽出物を着色料として承認した。Sensientによると、これはFDAが承認した最初の植物由来の天然青色着色料なる

FDAは、スポーツドリンク、炭酸飲料、フルーツジュース、アルコール飲料、お茶、乳飲料、栄養ドリンクなどのドリンクから、ガム、アイスクリーム、ヨーグルト、飴などの食品まで、幅広い製品カテゴリ向けにチョウマメ由来の着色料を承認した。

プレスリリースによると、チョウマメ由来の着色料は熱に非常に安定で、製品のpHに応じて、明るい青から、濃い紫、自然な緑色までさまざまな色合いを出すことができる。

たとえば、pH3.8を超えると明るいデニムの色合いとなり、スポーツドリンクなど低いpHでは、独特の濃い紫色の色合いとなる。

チョウマメは赤道付近のアジア原産であり、東南アジア全体に一般的にみられる。チョウマメの花びらは何世紀にもわたってカフェインフフリーなハーブティーを作るために使用されてきた。シェフはチョウマメの花を料理で鮮やかな色合いを出すために使用してきたが、着色料として製造する場合は複雑な工程となる。

Sensientは着色料としてFDAの承認を得るために、限外ろ過と濃縮に関するFDAの要件を満たすよう取り組んだ。

同社は脱塩水(純水)と乾燥させた無農薬チョウマメの花びらを組み合わせ、限外ろ過後に液体を濃縮、低温殺菌することで着色料を開発した。これにより得られる抽出物は水分が42~62%で、アントシアニンを主成分とする。

Sensientは2015年にスピルリナ由来の着色料も開発している。新しい研究では、赤キャベツに含まれる色素を使用して、天然の安定した青色着色料を作り出せることが報告されている。

これらの植物ベースの着色料に加え、最近では発酵技術を活用した着色料の開発も進んでいる。デンマークのChromologics、イスラエルのPhytolonなどは、微生物発酵によりサステイナブルな着色料の開発を進めており、この1年で2社とも資金提供を受けている。

 

参考記事

FDA Approves Sensient Butterfly Pea Flower Extract

New blue: FDA approves Sensient’s natural color made from butterfly pea flower

 

関連記事

  1. 精密発酵で赤色着色料を開発するChromologicsが約18億…
  2. 微生物発酵でサステイナブルな着色料を開発するデンマーク企業Chr…
  3. 精密発酵で天然着色料を開発するPhytolonがギンコ・バイオワ…
  4. 菌類由来の熱安定性に優れたビーガン着色料を開発するMichrom…
  5. イリノイ州が精密発酵の推進に向けて、iFAB Tech Hubに…
  6. 植物性着色料を開発中のイスラエルフードテックPhytolonが約…
  7. 精密発酵で着色料を開発するMichromaが約8.4億円を調達
  8. 微生物発酵で赤色着色料を開発するChromologicsが約8億…

おすすめ記事

ビーガンペットフードのWild Earthが約25億円を調達、来年に細胞培養ペットフード発売へ

ビーガンペットフードを販売する米Wild Earthが、シリーズAで2300万ド…

乳業大手フォンテラ、精密発酵・バイオマス発酵企業2社と提携(Nourish Ingredients・SuperBrewed Food)|排出量削減に向けた新たな一歩

ニュージーランドの大手乳業会社フォンテラが環境負荷の軽減に向けた取り組みを強化し…

2024年のフードテックを振り返る:小売進出した培養肉、精密発酵の前進、代替カカオに注目

こんにちは。Foovoを運営している佐藤あゆみです。今回は、2024年の…

精密発酵でラクトフェリンを開発する米De Novo Foodlabs、商用化に向けて約2.2億円を調達

ノースカロライナ州に拠点を置く精密発酵企業De Novo Foodlabs(旧称…

ビヨンドミートが新しいビヨンドバーガーを5月に全米小売で発売

代替肉巨人のニュースが止まらない。ビヨンドミートが新しい植物肉バーガーを…

【2023年度版】精密発酵レポート販売開始のお知らせ

2024年5月12日更新(特典の変更について追記しました)。 2024年9月2日更新(…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

最新記事

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(08/06 15:33時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(08/07 01:41時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(08/06 05:32時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(08/06 21:37時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(08/06 13:35時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(08/07 00:44時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP