Foovo Deep

All G Foodsが約24億円を調達、細胞農業に特化したVC主導のインフラ構築進む

 

精密発酵による乳タンパク質、植物由来の代替肉を開発するオーストラリア企業All G Foodsは先月、シリーズAラウンドで2500万オーストラリアドル(約24億円)を調達した。All G Foodsは調達した資金で乳タンパク質と植物成分を使った代替食の生産技術を強化する。

このラウンドは細胞農業に特化したイギリスのベンチャーキャピタル(VC)Agronomicsと、Agronomicsの細胞農業専門の系列VC、New Agrarian Companyが主導した。

All G Foodsは2月にもオーストラリアの大手スーパーチェーンWoolworths(ウールワース)から資金調達を実施している。

「今後7年で牛由来の乳製品よりも安くしたい」

出典:All G Foods

オーストラリアメディアFinancial Reviewの報道によると、All G Foodsは精密発酵技術を使用したミルク製品をすでに開発している。同社チームは、水、砂糖、乳タンパク質の遺伝子を挿入した微生物をいれる大型のバイオリアクターを構築したという。

All G Foods創業者のJan Pacas氏は、「今後7年で牛由来の乳製品よりも安く購入できるようにしたいです」とコメントしている。

出典:All G Foods

2021年設立のAll G Foodsはオーストラリアの数少ない精密発酵企業だが、植物肉の製造販売も手掛ける点では、同国で「オンリーワン」といえる。同社は植物肉による収益は、300万ドル以上1000万ドル未満だと明かしている。

精密発酵由来の代替ミルクを中国、シンガポール、オーストラリアで上市したいと考えており、オーストラリアでは年内に認可が取得できるとPacas氏は期待している。同社はまた、世界で初めて培養肉の販売を認めたシンガポールに代替ミルク製品を導入することにも注力するとしている。

細胞農業業界のボトルネック、インフラに投資するAgronomics

出典:All G Foods

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

関連記事

アイキャッチ画像の出典:All G Foods

 

関連記事

  1. 【参加レポート】第34回食品開発展2023年10月@東京
  2. MeaTechが低コストな培養脂肪の生産方法で米国仮出願を提出
  3. 香港培養肉スタートアップのAvant Meatsが培養魚の切り身…
  4. デンマークのセブンイレブン、Endless Food Coのビー…
  5. アブダビ投資庁がThe EVERY CompanyとVivici…
  6. 世界初の培養サーモン、米国で認可──WildtypeがFDAの「…
  7. 欧州で広がるRedefine Meatの代替肉、現地レストランで…
  8. RespectFarms、世界初の「培養肉農場」をオランダで始動…

おすすめ記事

かつて年間8,000トンを生産──忘れられたマイコプロテインPEKILO、Eniferがグローバル展開を加速【セミナーレポ】

食品用PEKILO Foovo(佐藤)撮影フィンランドのスタートアップEniferは、かつて同国…

ロボットハンバーガー店のCreatorがリニューアル、「パーソナライズ化」を導入

2018年にサンフランシスコにオープンし、話題となったロボットレストランCrea…

シンガポールの培養魚企業Umami Meatsが日本進出を発表

シンガポールの培養魚企業Umami Meats(ウマミミーツ)が日本進出を発表し…

エストニアで進むマイコプロテイン開発|ホールカット代替肉を開発するFunkiとMati Foodsの取り組み

エストニア発のマイコプロテイン企業Funkiは、今後5年から10年で、食用菌糸体…

自宅を農家にする室内農業のGardynが約10億円を調達

水耕栽培キットを開発するGardynがシリーズAで1000万ドル(約10億円)を…

コーヒーかすを油脂に変換|英Revive Eco、廃棄物から持続可能な代替油脂を開発

廃棄されるコーヒーかすをアップサイクルする取り組みが増えている。イギリス…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(11/24 16:17時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(11/24 02:57時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(11/24 06:29時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(11/24 22:19時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(11/24 14:18時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(11/24 01:36時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP