代替プロテイン

米Thrilling Foods、層状の脂肪を含んだビーガンベーコンで特許を取得

 

アメリカ、ポートランドの代替タンパク質企業Thrilling Foodsは、植物由来の代替ベーコン「Bakon」を全米で販売している。

同社はこのほど、層状の脂肪を含んだ植物ベーコン作成に関する米国特許を取得した。

Thrilling Foodsは独自技術により、植物成分を使って豚ベーコンの風味と食感を再現しており、「Bakon」は本物のベーコンのように脂肪を層状に含んでいる。

Bakon」は、料理人であり、起業家であるDavid Jones氏によって作成された。2021年1月にオレゴン州ポートランド郊外のスーパー「Beaverton Farmers Market」で販売を開始後、地域の食料品店「New Seasons Market」に販売を拡大した。顧客の反響は大きく、起業家Jared Hansen氏の助けを得て、Thrilling Foodsを設立したという

Bakon」は豆乳と持続可能な認証を受けたパーム油、酵母エキスなど、植物成分を使用しており、ビーガン向けのベーコンとなる。従来の豚ベーコンのように調理することが可能だ。

出典:Thrilling Foods

Thrilling Foodsは動物脂肪が調理中に放出されるように、タンパク質構造にコレステロールを含まない脂肪を保持し、調理中に放出する画期的なタンパク質構造を開発した。

米国特許(US11464239B2)によると、Thrilling Foodsの生産プロセスでは、脂肪層や赤身層に振動、圧力、加熱、せん断力などの物理的作用を加えることで、脂肪を保持したタンパク質構造を構築している。

Thrilling Foodsは需要の増大から、3度目の施設拡大を実施し、生産を1日2,000ポンド(約900キログラム)以上にスケールアップすることを計画している。

 

参考記事

Thrilling Foods’ Bakon™ Receives U.S. Patent For World’s First Fatty & Lean Protein Streaked Plant-Based Bacon

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Thrilling Foods

 

関連記事

  1. 2023年精密発酵業界の全貌:認可企業の動向、2024年予測、C…
  2. デンマークのTempty Foodsがマイコプロテインをレストラ…
  3. 英Meatlyが培養キャットフード製品を発表、3ヶ月以内の承認を…
  4. 中国、細胞性食品特許で世界首位に 背景に見える国家戦略
  5. モサミート、牛脂肪細胞を培養する無血清培地に関する論文を発表
  6. イスラエルの精密発酵企業Remilk、アメリカで上市を実現
  7. DICがスピルリナ由来ヘムを開発する米BYASに出資を発表
  8. ドイツのBettaF!sh、海藻と植物を使用した代替サーモンSA…

おすすめ記事

植物性代替卵のUMAMI UNITED JAPANが3.1億円を調達|量産化に向け製造拠点を計画

「UMAMI EGG FLAVOR」 Foovo(佐藤)撮影(2025年4月)植物性代替卵を開発…

エリンギ由来のジャーキーを作るハワイ発のMoku Foods

ハワイを拠点とするスタートアップ企業Moku Foodsは植物性ジャーキーを発売…

乳業副産物を精密発酵カゼインに─Bel Goup×仏Standing Ovation|乳清残渣を活かすマイコプロテイン事例も

2022年に精密発酵企業Standing Ovationと提携したBel Gou…

【現地レポ】シンガポール展示会(Agri-Food Tech Expo Asia 2022)参加レポート(代替タンパク質にフォーカス)

2022年10月26日~28日の3日間、シンガポールのマリーナベイ・サンズにある…

MISOLA FOODS、日本初のオーツミルク専門メーカーとして『塚越さんがつくったおいしいオーツミルク』を発売

スウェーデンのOATLY、シンガポールのOATSIDEなど海外のオーツミルク製品…

酵母由来の代替油脂を開発する英Clean Food Group、6万リットルの発酵運転に成功──実用化に向け前進

出典:Clean Food Group酵母を用いた微生物発酵により、食品・化粧品向けに代替油脂を…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(12/27 16:28時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(12/28 03:08時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(12/28 06:44時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(12/27 22:27時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(12/28 14:28時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(12/28 01:51時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP