菌糸体からブロックタイプの代替肉を開発する米Meati Foodsは今月、コロラド州ソーントンに工業規模の生産施設を開設したことを発表した。
「メガランチ」と呼ばれるこの工場は、2023年後半までに年間数千万ポンドの代替肉を生産すると予想される。この発表は昨年7月の約200億円の資金調達に続くものとなる。「メガランチ」の生産量は、アメリカで最大規模の農場で生産される肉の生産量に匹敵もしくはそれを上回るものだという。
Meati Foodsは2025年までに10億ドルのランレートを予想している。
菌糸体から代替肉を開発するMeati Foodsが生産工場を開設
2017年に設立されたMeati Foodsは、キノコの根に相当する菌糸体を活用して、栄養価が高く持続可能な代替肉の開発に取り組んできた。同社の製品ブランド「Eat Meati」シリーズは、菌糸体を活用したカツレツとステーキという、ブロック肉を特徴としている。
同社は「Eat Meati」シリーズとして昨年2月以降、「Classic Cutlet」、「Crispy Cutlet」、「Classic Steak」、「Carne Asada Steak」の4製品をオンラインで販売している。
初回発売から1時間で1100個の注文が入るなど、「Eat Meati」シリーズは自社オンラインショップで数ヵ月にわたる「記録的な完売」を経て、昨年7月に小売デビューを果たした。
現在はオンライン販売のほか、Sprouts Farmers Market、Sweetgreen、Birdcallなどの小売、レストランで販売されている。テッククランチの報道によると、Meati Foodsは年末までに販売箇所を7000に拡大する予定だという。
年間数億ポンドの大型工場でさらなるスケールアップへ
プレスリリースによると、広さ10万平方フィート(約9290㎡)の「メガランチ」は、栽培から収穫、加工、包装までのプロセスを1つの工場で行う、垂直統合アプローチを採用している。
小さじ1杯の胞子をわずか数日で、数百頭の牛に相当するホールフード(加工を最小限に抑えた植物性食品)に成長させることができるという。「Eat Meati」シリーズは同工場で製造されている。
同社は以前、商品化の主要ルートは食料品店を通じた販売になると述べており、「メガランチ」がその実現に寄与するのは間違いない。長期的には、年間数億ポンドの生産能力を誇る「ギガランチ」の工場建設も計画しており、さらなる生産拡大が予定されている。
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アイキャッチ画像の出典:Meati Foods