代替プロテイン

Aqua Cultured Foods、マイコプロテイン由来の代替マグロ、エビ、ホタテの公開試食会を今月開催

 

代替シーフードを開発する米Aqua Cultured Foodsは、レストランシェフやフードサービスを通じた一般販売に先立ち、シカゴで消費者向けの試食会を開始することを発表した

プレスリリースによると、試食会ではマグロの鉄火巻きエビ餃子ホタテのクルードが参加者に提供される。シカゴ、ウェストループにあるAqua Cultured Foods本社で今月始めより開催される。

Aqua Cultured Foodsは、高まるシーフード需要が魚個体数の減少、生態系への影響、プラスチック廃棄物、意図しない非対象種の混獲をもたらしていることから、持続可能な代替シーフードを開発している。

マイコプロテインの発酵プロセスによりこれまでに、イカ、エビ、ホタテ、マグロや白身魚の切り身など代替シーフードを開発してきた。発酵プロセスでは遺伝子組換え技術は使用せず、製品は完全にアニマルフリーとなる。

出典:Aqua Cultured Foods

デンプンやタンパク質単離物を配合した植物性の加工食品と異なり、Aqua Cultured Foodsの代替シーフードは、天然のシーフードが持つ食物繊維、タンパク質、微量栄養素を備えている。同社独自の菌株を使用することで、植物成分を、動物性シーフードの1対1の代替品として使用できる、「本物のような味、食感、見た目を備えたシーフード」に変換できるという。

共同創業者兼CEO(最高経営責任者)のAnne Palermo氏は、「公開試食会は、製品を微調整し、どの料理が最も当たりであるかを把握するのに役立ちます。また、パートナーであるシェフやレストランと新メニューを作るのにも役立ちます。参加される方は、お腹を空かせていらしてください。これほど美味しく、納得のいく植物性シーフードを食べたことはないですから、きっと感動します」と述べている。

出典:Aqua Cultured Foods

今年1月、Aqua Cultured Foodsは、今年第2四半期に戦略的パートナーと発売する予定のホールカットシーフード製品の生産拡大のため、シカゴで新しい生産施設の建設を開始したことを発表した

微生物に栄養を与えて成長させたものを食用タンパク質とするバイオマス発酵の領域では、代替肉用途の企業が多く、シーフードを対象としたAqua Cultured Foodsは希少な企業となる。

Aqua Cultured Foodsのほかにも、ドイツのEsencia Foodsが菌糸体の発酵により代替シーフードを開発している。Esencia Foodsはこの種の企業としては欧州初となり、公式サイトによると、同社は菌糸体由来のサーモンを開発している。

 

参考記事

Aqua Cultured Foods to Begin Consumer Tastings of Alt-Seafood

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Aqua Cultured Foods

 

関連記事

  1. 世界初|スペインの乳製品メーカー、細胞農業による乳製品開発を支援…
  2. AIエンジンで代替タンパク質を開発するThe Live Gree…
  3. GEAが代替タンパク質の技術センターをドイツに開設
  4. 2021年の代替タンパク質投資額は50億ドルとGFIが報告、20…
  5. ユニリーバが精密発酵によるアイスクリーム発売計画を発表
  6. TurtleTree、精密発酵ラクトフェリンの上市に向けて最初の…
  7. Esco Aster、2025年までにシンガポールに新たな培養肉…
  8. シェフと再生医療研究者が立ち上げた培養肉企業ダイバースファームが…

おすすめ記事

独Nosh Biofoodsが赤身肉のようなマイコプロテインの開発でGinkgo Bioworksと提携

代替肉用に菌類由来の機能性成分を開発するドイツ企業Nosh Biofoods(以…

オランダのスーパーで買った代替コーヒーを試飲|業界でカフェオレ提供が多い理由も考察

オランダ企業Northern Wonderの代替コーヒーは、オランダのスーパーマ…

かつて年間8,000トンを生産──忘れられたマイコプロテインPEKILO、Eniferがグローバル展開を加速【セミナーレポ】

食品用PEKILO Foovo(佐藤)撮影フィンランドのスタートアップEniferは、かつて同国…

オランダ、培養肉の承認前試食の実施を認める 年内に試食会実施へ

オランダ政府は今月5日、限られた条件下において、培養肉・培養シーフードの試食がま…

植物サーモンのNew School Foods、カナダでのレストラン展開を加速|IKEA支援と今後の展開を考察

植物サーモンを開発するカナダ企業New School Foodsが、Gordon…

高級培養肉Orbillion Bioが日本初登壇|Food-Tech Webinar Fall 2021参加レポート

株式会社アドライト社が代替タンパク質の可能性にフォーカスしたセミナー「Food-…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

最新記事

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(09/18 15:54時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(09/18 02:17時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(09/18 05:56時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(09/17 21:55時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,980円(09/18 13:52時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(09/18 01:12時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP