代替プロテイン

TissenBioFarmが韓国初の細胞農業支援センターで10Kgの培養肉プロトタイプを発表

 

韓国の培養肉スタートアップ企業TissenBioFarmは先月、韓国初の細胞農業ハブとなる慶尚北道細胞農業産業支援センターの開所式で、10キログラムの培養肉プロトタイプを発表した。

3月末に開催された開所式には、慶尚北道のイ・チョルウ知事、大学、研究機関、TissenBioFarmなどの民間企業から約200名が参加した。同センター立ち上げは、韓国の 28の主要な業界関係者が2月、韓国の培養肉産業を前進させるために基本合意書(MOU)を締結したニュースに続くものとなる。

出典:TissenBioFarm

建設に90億ウォン(約9億円)が投じられた4階建ての同センターには、TissenBioFarmを含む5社の企業と、嶺南大学細胞培養研究センター、研究所、分析室が収容される。2024年までに30億ウォン(約3億円)の予算で55種類の企業設備を設置することを目指している。

開所式では、細胞農業をワクチン、医薬品、化粧品、グリーンバイオ産業と結び付け、一体化された細胞農業産業を創出する計画が発表された。

TissenBioFarmは開所式で、10キログラムの培養肉プロトタイプを初めて公開。同社によると、これまでに発表されたプロトタイプでは世界最大サイズとなる。

Green queenの報道によると、発表された培養肉は、動物細胞、バイオインク、食用着色料、パーム油、食用接着剤を使用しているという。TissenBioFarmはリンクトインで、「大きな霜降り培養牛肉は多くの訪問者の注目を集めました」とコメントしている

出典:TissenBioFarm

昨年8月、韓国が国家計画に培養肉の安全性評価や製造プロセスの管理制度を盛り込む方針であることが明らかになった。韓国初の細胞農業支援センターの開設は、韓国政府の培養肉企業に対する財政的・行政的支援を約束するものとなる。

TissenBioFarmは人工臓器の研究開発を基盤技術に設立された培養肉企業で、バイオ3Dプリンティング技術を活用している。昨年10月にはシリーズAラウンドで約2.2億円を調達した

同社は2023年末までに、「約80%の細胞と20%のバイオインク・バイオマテリアルから構成される100%培養肉を発表する」とGreen queenのインタビューで回答している。

 

参考記事

South Korea’s Cellular Agriculture Support Center Opens With a Bang: The World’s Largest Piece of Cultivated Meat

TissenBioFarm Unveils 10 kg Cultivated Meat Prototype at South Korea’s First Cell Ag Hub

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:TissenBioFarm

 

関連記事

  1. 精密発酵スタートアップが欧州の「不透明な」規制枠組みの改善に向け…
  2. 韓国の培養肉企業SeaWithは2022年末までにレストランでの…
  3. 韓国の代替肉企業Zikooinが約26億円を調達、植物肉工場を来…
  4. Future Fieldsが約15億円を調達、ショウジョウバエで…
  5. ユニリーバ、植物性の代替肉・代替乳製品の年間売上目標を約1200…
  6. 米イート・ジャストがシンガポール最大の植物性タンパク質工場の建設…
  7. ビヨンドミートが中国ECに初進出、中国市場向けの代替豚肉「ビヨン…
  8. 二酸化炭素から動物飼料用のタンパク質を作るDeep Branch…

精密発酵レポート好評販売中

おすすめ記事

シンガポール・イスラーム評議会、特定条件下で培養肉をハラールと認定

シンガポールで唯一、ハラール認証を発行する権限を有するシンガポール・イスラーム評…

カーギルがマイコプロテインの英ENOUGHと販売契約を締結

カーギルは今月、マイコプロテインを開発する英ENOUGHとの提携拡大を発表した。…

MicroSaltは通常の半分量で、同じ塩味を実現する画期的な塩「MicroSalt®」を開発

アメリカ人は1日平均3.4gの塩分を摂取しているといわれる。これはFDA…

Mogale Meatがアフリカで初の培養鶏胸肉を発表

南アフリカの培養肉企業であるMogale Meatは、「南アフリカのみならず、ア…

Change Foodsが約13億円を調達、精密発酵の市場投入を加速するパートナーシップを締結

精密発酵によりチーズを開発するChange Foodsは、シードラウンドで追加の…

米Uprootによる大学向けの植物ミルクディスペンサー|植物ミルクを当たり前の選択肢に

アメリカで植物ミルクの選択肢が一般的になる一方で、大学キャンパスでの植物ミルクの…

Foovoの記事作成方針に関しまして

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

精密発酵レポート好評販売中

Foovo Deepのご案内

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

▼運営者・佐藤あゆみ▼

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,724円(03/29 11:57時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(03/29 21:15時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(03/29 00:41時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(03/29 17:53時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(03/29 10:40時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(03/29 20:46時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP