代替プロテイン

Quornの親会社Marlow Foods、マイコプロテインを他社へ販売するため原料部門を設立

 

有名なマイコプロテインブランドQuornの親会社であるMarlow Foodsは今月、Quornのマイコプロテインを他の食品・飲料メーカーに販売する計画を発表した

40年以上にわたりマイコプロテインを生産してきたMarlow Foodsは、他の食品会社がマイコプロテインを利用できるように、新部門Marlow Ingredientsを立ち上げた。Marlow Ingredientsの「Marlowマイコプロテイン」は、まず欧州で販売された後、海外でも販売される見込みとなる。

この発表は、2030年までに「ネット・ポジティブ」事業を実現するというMarlow Foodsの使命の一環となる。同社は2030年に80億食分のマイコプロテインを提供することを目指しており、その一歩として、マイコプロテインの原料部門を立ち上げた。

出典:Quorn

1980年代の発売以来、Quornブランドは100を超え、Quornのマイコプロテイン製品はイギリス、欧州全域で商用的な成功を収めてきた。欧州のケンタッキー・フライド・チキン(KFC)、イギリスのGreggsやベルギーのレストランチェーンQuickなどで使用されている。

2015年にはフィリピンの大手食品会社モンデ・ニッシンがQuornを買収。現在はシンガポール、フィリピン、タイなどでも販売されている

Marlowマイコプロテイン」は、タンパク質含有量が高く、9種類の必須アミノ酸すべてを含んだ、飽和脂肪酸の少ない、高繊維な代替タンパク質となる。牛肉製品と比較して、土地・水の使用量が90%少なく、温室効果ガス排出量は98%少ない。

Marlow Foods でCEO(最高経営責任者)を務めるMarco Bertacca氏は、「私たちのマイコプロテインには大きな可能性があります。肉のような食感と、素晴らしい栄養と持続可能な利点に加え、代替乳製品など、他の用途でより持続可能な製品を作れる可能性について、興味深い研究が行われています」と述べている

Bertacca氏はさらに、「Marlow Ingredientsは当面は食品メーカーとの提携に焦点をあてますが、今後の可能性に非常にワクワクしています」と述べ、食品メーカー以外との連携も拡大していく姿勢を示している。

 

参考記事

Marlow Foods, parent company of Quorn®, sets up ingredients division to make its mycoprotein available to others

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Quorn

 

関連記事

  1. Remilkの精密発酵乳タンパク質がシンガポール当局の認可を取得…
  2. 培養肉アレフ・ファームズ、安価でオープンな増殖培地の開発でWAC…
  3. 昆虫で食品廃棄物をアップサイクルするLIVIN Farmsが約8…
  4. 2024年1月_Foovoセミナー動画・資料(精密発酵・植物分子…
  5. AIエンジンで代替タンパク質を開発するThe Live Gree…
  6. 菌糸体由来のブロック肉を開発するMeati FoodsがD2C販…
  7. ブラジル企業Cellva Ingredients、培養豚脂肪に続…
  8. 中国代替肉企業Hey MaetがプレシリーズAで数百万ドルを資金…

おすすめ記事

Remilk、イスラエルで精密発酵タンパク質の認可取得が間近

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は19日、イスラエルのフードテック企業が牛…

ビヨンドミートが新しいビヨンドバーガーを5月に全米小売で発売

代替肉巨人のニュースが止まらない。ビヨンドミートが新しい植物肉バーガーを…

「細胞培養の救世主」、クラウドで培養を受託する米企業Culture Biosciencesが培養肉開発を加速する

培養肉の開発では製造プロセスの最適化が重要となるが、これには莫大な時間がかかり、…

大手乳業メーカーLeprino FoodsとオランダのFooditive、精密発酵カゼインの製造販売で世界的な独占契約を締結

精密発酵カゼインを開発するオランダ企業Fooditiveは今月、世界最大のモッツ…

カクテルに3DプリントするPrint a Drink、企業向けの小型3Dプリンターを開発

フード3Dプリンターという言葉を聞いたことある人は少なくないだろう。工業…

オランダ大手スーパー、植物由来食品44%の販売率を報告|売り場戦略を考察する【現地レポート】

オランダの大手のスーパーマーケットAlbert Heijn(アルバート・ハイン)…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoセミナー開催のお知らせ

Foovo Deepのご案内

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoの記事作成方針に関しまして

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(01/17 14:27時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(01/18 00:10時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(01/18 03:58時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
2,156円(01/17 20:26時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(01/18 12:39時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(01/17 23:23時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP