今月、中国、北京市豊台区に同国初となる培養肉・微生物発酵に特化した代替タンパク質センター(中国語名:新蛋白食品科技创新基地/日本語名:新タンパク質食品技術イノベーション基地)が設立された。
中国初の代替タンパク質センターが設立

出典:新蛋白食品科技创新基地
新たなセンターは北京市豊台区の首農発展イノベーション科学技術産業パーク内に位置し、2024年4月に建設が開始され、約8,000万元(約17億円)が投じられた。
同センターは、培養肉の工業生産に向けた空白を埋めるモデルケースとしての役割が期待される。
豊台区政府と首農食品集団は官民連携のもと、双方のリソースと強みを生かし、「1+1>2」の相乗効果を最大限に発揮することを目指して、未来の食品に特化した産業クラスターの構築に共同で取り組む方針だ。
同センターは現在、培養肉用に200リットル、微生物タンパク質用に2,000リットルの生産ラインを備えているが、今後は培養肉用に2,000リットルのパイロット生産ラインを2基、微生物タンパク質用に2,000リットル、5,000リットルのパイロット生産ライン計3基を増設することを計画している。
豊台区は以前より、培養肉や微生物タンパク質など、未来の食産業の「発祥地」および「モデルエリア」としての役割を担うハブ地域と位置付けられてきた。
2024年5月、豊台区は「将来の食品産業の革新的発展を支援する若干の措置」を発表。同措置の発表以降、豊台区初となる「未来食品専用工業パーク」が和義街道の首農発展イノベーション科学技術産業パークにて正式に設立された。
また、未来食品産業協力発展連盟が結成され、新規食品分野の研究機関、関連企業、業界団体などが集まり、食の未来の発展に向けたプラットフォームと協力の機会を提供している。
豊台区常務委員・副区長の崔旭龍氏は、新センタ-は、豊台区が新たな市場を開拓し、新産業を発展させるための重要な「布石」であり、首都・北京における「国家科学技術イノベーションセンター」の建設支援、中国のバイオエコノミーとバイオものづくり産業の発展促進、さらには中国の食料安全保障の強化においても重要な意義を持つと強調した。
培養肉など新規食品を推進する中国政府の動き

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