アメリカ、ボストンを拠点とするAyana Bioは、カカオ、レモンバーム、エキナセアなどの生理活性物質を農業ではなく、植物細胞培養により生産している。
2021年に設立された同社は、バイオテクノロジー企業ギンコ・バイオワークスのスピンオフベンチャーであり、健康、ウェルネス、化粧品などの市場向けに生理活性物質を開発している。
植物細胞培養とは、地面で植物を成長させる代わりに、バイオリアクターの中で植物細胞に栄養を与えて増殖させて、目的成分を収穫する手法を言う。Ayana Bioによると、地面で成長して成熟するまで何年もかかる一部の植物とは異なり、植物細胞はわずか数週間で完全に成長し、原料として収穫されるという。
Ayana Bioは農業ではなく独自の植物細胞培養技術を活用して、健康とウェルネスに役立つ生理活性物質の提供を目指している。
製菓から健康・ウェルネスへとカカオを解き放つ
Ayana Bioは今年1月、植物細胞培養によるカカオの生理活性物質生産を加速させるため、300万ドル(約4億円)を投入することを発表した。
Ayana Bioによると、カカオには、糖尿病のリスク軽減や、消化、心血管の健康、認知、免疫をサポートする生理活性物質が含まれているが、従来の収穫方法では費用がかかり、持続可能ではない。カカオ生産は、児童労働、農家の貧困、害虫、気候変動、森林伐採などサプライチェーン面の課題をかかえている。
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アイキャッチ画像の出典:Ayana Bio