イスラエルの植物肉企業Chunk Foodsは、昨年11月にシードラウンドで1500万ドル(約20億円)を調達していたことを発表した。植物肉企業が調達したシード資金としては、過去最大規模だとChunk Foodsは主張している。
2020年に設立された同社は、以前にプレシードラウンドで200万ドル(約2億7000万円)を調達しており、シード資金を合わせ、調達総額は1700万ドル(約23億円)となった。
調達した資金は、イスラエルの植物肉工場の建設を完了するために使用される。この工場は年間数百万枚の植物ステーキ肉を生産でき、2023年夏に完成する予定だという。
植物ステーキ肉のChunk Foodsが約20億円を調達

出典:Chunck Foods
大豆を原料に、発酵プロセスを活用して生成された同社の植物ステーキ肉は、25グラムのタンパク質を含み、添加物やコレステロールを含まないコーシャ対応のGMOフリーな代替肉となる。
Chunck Foodsは、自社の植物ステーキ肉は従来の牛肉と同じ食感、噛み応え、風味を有していると主張している。牛肉から着手し、豚肉、羊肉、鶏肉の代替品も開発する予定だ。
Jewish Newsの報道によると、創業者Amos Golan氏がこだわったのは、使用する原料を制限することだという。
「一部の製品を調べたところ、その多くは20~25種という多くの原料を使用していました。消費者は、肉や魚など、1つまたは2つの原料製品を食べることに慣れていますので、これは問題です」と、Golan氏はJewish Newsのインタビューでコメントしている。
AgFunderの報道によると、Chunck Foodsは食品グレードの微生物を活用して、固体発酵プロセス(Solid state fermentation)で大豆粉末を発酵させている。この手法は、高水分押出や深部培養(submerged fermentation)よりも、安価だという。これにより、繊維の方向や厚さの制御が可能になるほか、豆由来の風味を抑え、肉らしい風味が得られるという。

出典:Chunck Foods
今回のラウンドに参加したベンチャーキャピタル、FootPrint CoalitionのパートナーであるSteve Levin氏は、「投資に先立ち、いくつかの一流レストランのテストキッチンで製品を試しました。この製品は、味、食感、調理のしやすさだけでなく、原料リストにおいて満場一致で賞賛されました」と述べている。
Chunck Foodsは現在、イスラエルとアメリカに研究開発チームを有している。研究チームは発酵プロセスを使用して、原料リストのさらなる削減に努めている。
Chunck Foodsの代替ステーキ肉は、Coletta、Anixi、The Butcher’s Daughterなどニューヨークの高級ビーガンレストランで試験提供されている。完成予定のイスラエル工場では、アメリカに出荷する製品の製造が予定されている。
参考記事
BREAKING: Chunk Foods gears up for US launch of plant-based whole cuts following $15m seed round
Israeli food firm uses fermentation to transform plant-based meat
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アイキャッチ画像の出典:Chunck Foods