Foovo Deep

シンガポールのSEADLING、発酵海藻ペットフードで北米進出を加速、日本市場への期待も【創業者インタビュー】

SEADLING創業者のSimon Davis氏

シンガポールのSEADLINGは、地元農家と連携し、持続可能な海藻養殖の推進を目指す企業として2018年に設立された。同社は、マレーシア・ボルネオ島を拠点に、従来の低技術による海藻養殖の限界を、最先端の科学技術と発酵プロセスで克服しようとしている。

来日中のSEADLING創業者Simon Davis氏が9月18日、Foovoの取材に応じ、同社のビジョンと展望を語った。

テクノロジーの力で海藻養殖の可能性を広げる

出典:SEADLING

海への深い愛情を持つオーストラリア出身のDavis氏は、世界中をヨットで航海していた際、インドネシアで海藻養殖に出会った。Davis氏は、海藻が栄養豊富で、環境に優しい持続可能な食料供給の解決策として大きな可能性を秘めていることに注目し、SEADLINGを設立した。

世界には12,000種類以上の海藻が存在するとされているが、現在、商業的に利用されているのはごく一部に過ぎないという。また、海藻は冷水性と暖水性に大別される。冷水性の海藻がとれる国としては日本や韓国、中国が挙げられ、暖水性はインドネシアやマレーシア、フィリピン、タンザニアなどが主要な国となる。

特に暖水性海藻には、養殖技術や種苗の品質の低さ、製品化の種類が限られていること、未開発の種苗が多いといった課題がある。

Simon Davis氏 出典:SEADLING

SEADLINGは暖水性海藻に焦点を当て、データと科学を活用し、養殖の生産性を向上させるアドバイスや研修を農家に提供している。性能の良い品種を選別・育種し、データ活用を通じてどの種類の海藻が、どの場所や季節で最も適しているかを特定し、効率的な栽培方法を指導している。

SEADLINGの強み|発酵プロセスと種苗供給

出典:SEADLING

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

インタビュー実施時期:2024年9月18日 都内にて
アイキャッチ画像はFoovo(佐藤)撮影

 

関連記事

 

関連記事

  1. ネスレも細胞農業による代替母乳産業に参入か?
  2. Biokraft Foodsが、インドで初の培養肉試食会を開催|…
  3. Wilkが細胞培養による乳脂肪を使用したヨーグルト開発に成功
  4. AIエンジンで代替タンパク質を開発するThe Live Gree…
  5. 微生物発酵で脂肪を開発するNourish Ingredients…
  6. アレフ・ファームズ、イギリスで培養肉の申請書類を提出
  7. 培養肉企業MeaTechがベルギーに培養脂肪のパイロット工場を建…
  8. ファーストフードチェーンChipotleが代替油脂を開発する米Z…

おすすめ記事

2021年の代替タンパク質投資額は50億ドルとGFIが報告、2020年の約1.6倍に成長

代替タンパク質の普及を推進する非営利団体Good Food Institute(…

Evo Foodsとギンコ・バイオワークス、アニマルフリーな卵タンパク質の開発で提携

海外では動物に頼らずに食品成分を作る手法として、精密発酵が人気の手法になりつつあ…

伝統的なチーズ製法で植物チーズを開発するデンマーク企業FÆRM

デンマークのフードテック企業FÆRMは、伝統的なチーズ製造プロセスと酵素の力で、…

ニューヨーク発・シェフと消費者をつなぐCookUnity|パーソナライズされた定期デリバリー

コロナウイルスの発生で、外食の機会が減り、ウーバーイーツなどデリバリーを取る機会…

イスラエルのSteakholder Foods、3Dプリンターで生成した世界初の植物性ウナギを発表

3Dプリンターで持続可能な代替肉・代替シーフードを開発するイスラエル企業Stea…

Index Biosystemsが開発したバイオ由来の微細バーコード「BioTags」、包装に依存しないトレーサビリティソリューション

カナダ企業Index Biosystemsは、バイオベースのトレーサビリティ技術…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(02/21 14:43時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(02/22 00:24時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(02/22 04:19時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(02/21 20:41時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(02/21 12:47時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(02/21 23:38時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP