動物飼料の製造販売で30年以上の歴史を持つドイツのMarsapetは、米Calystaが開発した「FeedKind Pet Protein」を使用したドッグフード製品「MicroBell」を欧州で発売した。
この製品は、非遺伝子組換え微生物を培養した単細胞タンパク質「FeedKind Pet」を特徴としており、現在、欧州のペットフード店およびオンラインで販売されている。
今回の発表は、Dr.Clauder’sが昨年5月、「FeedKind Pet」を使用した世界初の犬用おやつ製品発売に続くものとなる。
Marsapetが「FeedKind」を使用したドッグフードを発売

出典:Marsapet
「FeedKind」は、天然ガスに含まれる炭素を微生物が取り込み、発酵プロセスを通じて生成されるタンパク質成分となる。
微生物が炭素を取り込み成長した後、バイオリアクターから取り出し、乾燥処理を施して最終製品とする。こうしてできる「FeedKind」は、単細胞タンパク質と呼ばれ、栄養価が高く、粗タンパク質を71%含む。製造では農地を一切使用せず、水もほとんど使用しないという。
今回発表された「MicroBell」はMarsapetのブランドの1つ、Marsavetシリーズとして提供され、ビーガン、穀物・グルテンフリーの乾燥タイプのドッグフードとなる。主要な原材料には「FeedKind Pet」のほか、サツマイモ、エンドウ豆、ジャガイモを使用しており、アレルギーがあったり、胃が弱かったりする犬に特に適しているという。

出典:https://www.der-zooexperte.de/
製品ページには「微生物タンパク質」と表示され、製品全体の10%に「FeedKind Pet」が使用されている。
「FeedKind Pet」は、スイスのV-Labelから公式なビーガン認証を受けており、ベジタリアンやビーガンの製品ラインに組み込むことができる。
「FeedKind」の長期工場計画

出典:Calysta
CalystaとAdisseoの合弁会社であるCalysseoは、2022年に中国重慶で稼働を開始した工場で「FeedKind」を生産しており、その生産能力は年間20,000トンとなる。以前の発表では、この工場は長期的に80,000トンへの増産を予定している。
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アイキャッチ画像の出典:Marsapet