代替プロテイン

イタリアのDreamfarm、植物性チーズで欧州展開を加速

出典:Dreamfarm

植物性チーズを開発するイタリアのスタートアップDreamfarmが、欧州で販路を拡大している。同社は2025年11月、フランス・パリの小売に進出した。

公式サイトによると、現在はイタリアに加え、フランスのMonoprix、オランダのAlbert Heijn、ベルギーのDelhaizeおよびAlbert Heijn、ドイツのEDEKAなどの小売店で取り扱われているという。

フランスでは69店舗のMonoprixに導入され、イタリアでは960箇所展開されている(2026年1月7日時点)。

Dreamfarmは、アーモンド、カシュー、寒天、野菜由来の食物繊維、塩などを原料に使用し、モッツアレラ、リコッタ、ストラッチャテッラ、スプレッドなどの植物性チーズを開発している。植物性モッツアレラは液体に浸かったタイプの製品となる。

出典:Dreamfarm

2021年設立のDreamfarmがイタリアで最初に上市したのは、2023年5月にさかのぼる

まず、植物性モッツアレラと植物性スプレッドの2製品を市場に投入した。同社はその数ヵ月後のテッククランチのインタビューで、一部のスーパーマーケットでは、植物性モッツアレラが競合他社のヴィーガンモッツアレラの5倍の売上を記録したと語っていた。

Green queen報道によると、2025年の売上高は前年比2倍以上となり、総額約200万ユーロ(約3億6,500万円)に達したという。「規模は小さいものの、チーズに厳しい国において、最も賛否両論の分かれるヴィーガンカテゴリーの一つを生産する企業としては、明るい兆しだ」と同メディアは伝えている

アメリカで販路を拡大していたスウェーデン発Stockeld Dreameryが昨年11月に事業終了を発表するなど、代替チーズ分野では撤退事例もある。そうした中でDreamfarmの売上増大と市場拡大は対照的だ。

出典:Dreamfarm(伊・仏以外の国の導入状況はまだ反映されていないと思われる/公式サイトでは他国展開を明記)

GFI Europeによると、イタリアの小売市場では植物性チーズが「最も成長著しいカテゴリ」とされる。アメリカでは植物性チーズの売上シェアが全体の約1%にとどまり、2024年には販売額・販売個数ともに数%減少したのに対し、イタリアではプラントベース食品の成長が好調で、植物性チーズの売上高は過去1年で45%成長したという。

Dreamfarmが2023年の初上市から、着実に販路を拡大してきた背景には、こうした地域特性も関係しているだろう。

出典:Dreamfarm

筆者が以前、欧州で複数の植物性チーズを試した限りでは、イタリアの植物性チーズ市場の伸びはにわかに信じがたい面もある。実際、業界で著名な代替チーズブランドでも、味や食感の点でリピートが難しいと感じた製品が複数あった(詳しいレポートはこちらから)。そうした経験を踏まえると、Dreamfarmの導入拡大は、味の評価が一定程度支えている可能性がある。

加えて、モッツアレラについては、Dreamfarmの製品設計そのものが、既存のヴィーガンチーズとやや異なる立ち位置を取っている点もあると感じる。

Violifeなどが「ピザ用途の加熱向け」を想定した代替モッツアレラを展開するのに対し、Dreamfarmはブライン入りで生食を前提とした“モッツァレラらしさ”を訴求している。

単なるヴィーガンチーズではなく、ボール状で液体に浸った形態にすることで、モッツアレを使う料理の文脈に寄せた設計が、販路拡大やリピート購入につながった可能性もあるだろう。

 

※本記事は、リンクトインの投稿をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Dreamfarm

 

関連記事

  1. ユニリーバ、植物性の代替肉・代替乳製品の年間売上目標を約1200…
  2. 【12/17】熊本発の植物肉スタートアップDAIZ社セミナー開催…
  3. そら豆を原料に代替卵を開発するPerfeggtが約4.9億円を調…
  4. 植物性代替肉SavorEatがイスラエルでIPO(上場)、202…
  5. カナダのAuX Labs、精密発酵カゼインで約6.3億円調達|米…
  6. 上海の培養肉企業CellXがパイロット工場を開設、年内に米・シン…
  7. 「競争よりも共創」代替肉で環境問題に挑むネクストミーツが目指すも…
  8. ドイツ企業Nosh.Bioがマイコプロテインを工業生産する自社施…

おすすめ記事

植物の葉緑体を活用して成長因子を開発するBright Biotechが約4億円を調達

分子農業で培養肉用の成長因子を開発する英Bright Biotechはシードラウ…

バレンタインで代替カカオ登場|複数の有名ブランドがアノザMを採用

Foovo(佐藤あゆみ)撮影カカオ豆の高騰を受けて、2026年の国内バレンタインでは複数の代替チ…

培養魚を開発するBlueNaluが史上最大の約62億円を調達、パイロット工場の完成・年内にテスト販売へ

細胞を培養して水産物を開発するBlueNaluが6000万ドル(約62億円)を調…

トマトで代替マグロを開発するスペイン企業Mimic Seafoodとは

スペインのフードテック企業Mimic Seafoodはユニークな原料を使って代替…

米Aqua Cultured Foodsがシカゴで生産施設の建設を開始、今年前半に上市を計画

バイオマス発酵で代替シーフードを開発する米Aqua Cultured Foods…

イスラエルのFuture Meatが培養肉の生産コスト削減に再び成功

イスラエルの培養肉スタートアップFuture Meatが、培養鶏肉の生産コスト削…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

細胞性食品(細胞培養食品)レポート・予約注文開始

最新記事

精密発酵・定期動向レポート発売のお知らせ

代替カカオレポート・好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

会員サービスFoovo Deepのご案内

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP