代替プロテイン

培養魚を開発するAvant MeatsがシンガポールのA*STARと提携、共同研究所の設立を発表

 

培養魚を開発する香港のAvant Meatsが、シンガポール科学技術研究庁(A*STAR)との提携を発表した。

AvantはA*STARと協力して、細胞培養による培養魚の生産を拡大するために、シンガポールに共同研究所を設立する。

今回のパートナーシップはA*STARの研究機関、Bioprocessing Technology Institute(BTI)との間に締結したもので、培養魚の商用化するために、培養魚の生産コストを下げるソリューションの共同開発に取り組む。

2社は、シンガポール国立大学の近くにある国際的な研究開発拠点であり、官民連携の拠点としても活用されるバイオポリスに新しい共同研究所を設立する。

出典:Biopolis

共同研究所では、シンガポール及び海外市場に向けて、費用対効果の良い食品グレードの培養シーフードを生産するために、培養魚のスケーラブルな生産を可能にするソリューションの最適化に取り組む。

これには、細胞の成長に影響を与える重要な因子の特定や、スケールアップを改善するプロセスなどが含まれる。

Avantは細胞ベースの代替魚を開発するアジアで最初の企業となり、これまでに培養魚の切り身や魚肚(魚の浮き袋)など複数のプロトタイプを発表してきた。昨年には化粧品業界にも参入し、細胞ベースの海洋タンパク質製品「Zellulin」を発売。培養魚は「avie」というブランドで、現在公式サイトで発売前の予約注文を受け付けている。

同社は今年4月にシンガポール経済開発庁(EDB)の支援を受け、シンガポールへの研究施設・実証プラントの建設を発表していた。プレスリリースによると、この施設は、2022年までに設立される。

出典:Avant Meats

同社は今年1月にベトナムに拠点を置くビンホアン水産(VHC)との間で戦略的パートナーシップを締結しており、シンガポールだけでなく海外展開も視野に入れていることがうかがえる。

シンガポールにおける培養肉、培養シーフードの開発は加速している。

2020年12月にシンガポールが世界に先駆けて培養肉を承認したのは記憶に新しい。4月には南洋理工大学(NTU)、シンガポール食品庁(SFA)、A*STAR が、新規食品の商品化を加速するためにFutureReady Food Safety Hub(FRESH)を設立した。

今月には医薬品受託製造開発機関(CDMO)のEsco AsterがSFAから培養肉製造の承認を取得している。

A*STAR とパートナーシップを結ぶ企業にはAvantのほかに、アニマルフリーな乳製品を開発するパーフェクトデイも含まれる。

Avantの共同創業者・CEOのCarrie Chan氏は、2社の提携は、培養肉を生産するための「細胞培養プロセスを最適化する方法のブレイクスルーを加速させる」とプレスリリースでコメントしている。

 

参考記事

AVANT AND A*STAR’S BIOPROCESSING TECHNOLOGY INSTITUTE COLLABORATE TO ACCELERATE CULTIVATED FISH TECHNOLOGY FOR MASS MARKET

Avant Partners With Singapore’s A*STAR To Make Cell-Based Fish A Reality

アイキャッチ画像の出典:Avant Meats

 

 

関連記事

  1. アニマルフリーな乳タンパク質を開発するイスラエルRemilkが約…
  2. ドバイが次のフードテックハブになる?UAEがドバイにフードテック…
  3. 植物性の液状卵を開発するスペインのUOBO、代替油脂のCubiq…
  4. 培養魚のWanda Fishがタフツ大学と独占的ライセンス契約を…
  5. 米Força Foods、スイカの種由来の代替ミルクを発売|アイ…
  6. オーストラリアのVowが約67億円を調達、来年始めにシンガポール…
  7. 牛に頼らず酵母で乳タンパク質を再現するフランス企業Bon Viv…
  8. 米MycoTechnologyが約105億円を調達、菌糸体発酵プ…

おすすめ記事

米Bridge Appliancesが開発した卵調理を自動化するロボット「Omm」

2024年12月13日:Bridge Appliancesに記事を確認いただき、変更になった箇所に関…

タイ食品大手のCPフーズがイスラエルの培養肉企業フューチャーミートと培養ハイブリッド肉の開発で提携

イスラエルの培養肉企業フューチャーミート(Future Meat)は23日、タイ…

精密発酵で乳タンパク質・乳脂肪を開発するPhyx44が約1.7億円を調達

アジアに新たな精密発酵企業が登場した。インドのPhyx44は、シードラウンドで1…

SimpliiGoodのスピルリナ由来のビーガンスモークサーモン、6ヶ月以内に小売店に導入へ

2025年4月30日更新イスラエルの微細藻類スタートアップSimpliigoodは22日、ス…

米MeliBioが欧州進出を拡大、植物性ハチミツをスイスとオーストリアで発売

米MeliBioが開発した植物性のビーガンハチミツが、イギリスでの発売に続き、ス…

ソーラーフーズのCO2由来「ソレイン」、米国で初の消費者向け販売へ|Fermenta・Pothosが2026年初頭に限定販売へ

出典:Solar Foodsアメリカで来年前半にも、二酸化炭素を原料とした代替タンパク質を使った…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP