代替プロテイン

ビヨンドミートとペプシコの合弁会社Planet Partnershipが、最初の製品であるビヨンドミートジャーキーを全国規模で発売

 

ビヨンドミートとペプシコは先月、ビヨンドミートジャーキーの発売を発表した。この「手軽で美味しい」植物由来ジャーキーは、両社の合弁会社Planet Partnershipから発売される最初の製品となる。

先月から全国販売されたビヨンドミートジャーキーは「持ち運びが容易で風味豊かなスナック」で、人と地球に優しい製品の開発を目指すビヨンドミートとペプシコの考えに基づいて開発された。

漬け込んでじっくりローストしたビヨンドミートジャーキーは、オリジナル、ホットスパイシー、テリヤキという3種のフレーバーが用意されている。1袋当たりのタンパク質は10グラムでコレステロールは含まれず、エンドウ豆や緑豆といった植物由来の単純な組成で、遺伝子組み換え品や大豆、グルテンは不使用である。

ビヨンドミートジャーキーには3種類の詰め合わせサイズがあり、ビヨンドミート初の常温製品として新たな流通経路を開拓し、食料品店からガソリンスタンド、会員店や薬局などどこでも簡単に購入できる健康志向のスナックを目指す。

Planet PartnershipのCEOであるDan Moisan氏は、「ビヨンドミートとペプシコの合弁会社であるPlanet Partnershipから最初の製品が発売されることにワクワクしている。ビヨンドミートジャーキーの全国発売により、植物肉製品を多くの家庭に届けることができるようになる。美味しく優れたタンパク源で、外出中やオフィス、あるいは探検中でも手軽に食べることのできる製品である」と述べている。

2021年に設立されたPlanet Partnershipは、植物タンパク製品の開発におけるビヨンドミートの先端技術と、消費者に新たな喜びと興奮をもたらすペプシコの世界規模の販売手法の融合を進める。今後もスナックから飲料にいたる多くの革新的な植物タンパク食品の開発をおこない、人の健康と地球に役立つ持続可能なフードシステムを構築していく。

ビヨンドミートの売上高は2021年度で4億6500万ドル(約570億円)と14%の増加を示したが、多くの競合会社が植物タンパク代替肉に参入してくるなかで販管費(商品・サービスの販売や管理にかかった経費)も約1億ドル(約123億円)と57%増加している。つまり、前年比14%の売上増は大幅な経費増加に支えられている

今後、ビヨンドミートが植物タンパク質における製品カテゴリーを拡大することができるかを予測するうえで、今回発売したビヨンドミートジャーキーは重要なアイテムであると考えられる。

 

参考記事

BEYOND MEAT® AND PEPSICO’S PLANET PARTNERSHIP DEBUTS BEYOND MEAT JERKY, THE JOINT VENTURE’S FIRST PRODUCT, AT RETAILERS NATIONWIDE

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Planet Partnership

 

関連記事

  1. ダノンとBrightseedが提携を拡大、AIを活用して植物の隠…
  2. 培養肉企業21社の生産工場・稼働状況まとめ-2022年11月時点…
  3. Enifer、北欧マイコプロテイン企業で初の新規食品申請
  4. 動物を殺さずにコラーゲン・ゼラチンを開発するJellatechが…
  5. 独Nosh Biofoodsが赤身肉のようなマイコプロテインの開…
  6. 【3/25】最新の研究事例から見る ! 細胞性食品(培養肉)セミ…
  7. 【参加レポート】第34回食品開発展2023年10月@東京
  8. オーストラリアv2foodが約57億円を資金調達、植物性代替肉で…

おすすめ記事

動物油脂のようにふるまう植物油脂を開発するLypid、約4.7億円のシード資金で年内に市場投入へ

代替肉の開発をめぐり、熱い分野が代替油脂だ。植物成分を使う代替肉に欠ける…

マレーシアの培養肉企業Cell AgriTechが2024年末までの工場開設を発表

マレーシア初の培養肉企業Cell AgriTechは、マレーシア、ペナンに培養肉…

ドイツ企業Nosh.Bioがマイコプロテインを工業生産する自社施設を発表

ドイツのマイコプロテイン企業Nosh.bioは今月、ドイツ・ドレスデン近郊にある…

VenHubが開発する完全自律型のスマートコンビニ

国内でも無人決済コンビニの導入が進むなど、小売の省人化・省力化が進んでいる。数年…

魚の培養脂肪を開発するインパクファット|日本人研究者がシンガポールで挑戦

畜産による環境負荷を軽減するため、植物由来や菌類由来の代替肉の普及が世界的に加速…

ドイツのFormo、麹菌由来のビーガンチーズを発売|約86億円の調達にも成功

ドイツのフードテック企業Formoが麹菌由来のビーガンチーズを発売した。…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(02/21 14:43時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(02/22 00:24時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(02/22 04:19時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(02/21 20:41時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(02/21 12:47時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(02/21 23:38時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP