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植物肉の需要増加に伴い、サステイナブルで本物に近い代替油脂の開発が加速している。
Melt&Marbleの資金調達に続き、代替油脂を開発するスペインのCUBIQ Foodsが575万ユーロ(約7億8000万円)を調達した。今回の資金調達にはカーギル、Moira Capital Partners、SGEIC、Newtree Impactが参加した。
カーギルの出資は今回が初。カーギルの出資は、商品開発計画やCUBIQ Foodsの製品販売を支援する商業契約など戦略的パートナーシップの第一段階となる。この調達資金を使い、CUBIQ Foodsは北米、欧州で販売・生産を拡大し、新製品をローンチする。
代替油脂のパイオニアCUBIQ Foodsが新たに資金調達
2018年に設立されたCUBIQ Foodsは代替油脂のパイオニア企業とされ、2020年までにBlue Horizon VenturesなどからシリーズAラウンドで1000万ユーロ(約13億円)を調達し、スタッフを50名まで増やした。これまでに3つの商品を開発し、スペイン、イギリス、アイルランド、アメリカで一部の代替油脂を市販化している。
創業者のRaquel Revilla氏とAndrés Montefeltro氏は、食物連鎖をより健康で、持続可能なものにするうえで代替油脂が重要な鍵になると考えている。
CUBIQ Foodsは植物由来・細胞由来という異なる技術で複数の代替油脂を開発している。
2021年に同社は植物性油脂「Go!Drop」を発売した。「Go!Drop」は植物油と水を乳化させたエマルジョンであり、植物、藻類、微生物などのビーガンな原料で安定化され、加工食品の脂肪成分を置き換えるために使用される。エマルジョン配合にすることで油の使用量を20%に抑えている。融点は60~80度に調整可能だという。
今年後半には、オメガ3を多く含む藻類オイルをマイクロカプセル化した「Go!Mega3」の発売を計画している。オメガ3はサバやイワシなどの魚に多く含まれるが、不足しがちな栄養素とされる。「Go!Mega3」では、多層マイクロカプセル構造が高濃度なオメガ3を保護し、特性を保持している。
2023年初頭に北米で培養油脂市販化へ
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