代替プロテイン

Motif FoodWorksがスケールアップを支援する新サービスを開始

 

アメリカ、ボストンを拠点とするMotif FoodWorksは、スケールアップを検討している企業に向けた発酵・バイオプロセスサービスを提供することを発表した

Motif FoodWorksは新サービス発表にあわせ、2つ目の施設となる約6,000㎡(65,000平方フィート)の市場開発・研究センターをマサチューセッツ州ノースボローに開設したことを発表した。この施設では、発酵から、原料、最終製品の生産を行う。

「数年前の私たちと同じ立場にある他社を支援する」

出典:Motif FoodWorks

ベンチスケールでの最適化を通じて製品化し、さらにパイロットスケールへ移行させるのはコストのかかるプロセスであり、多くのスタートアップ企業は社内で実施するための能力を持ち合わせていない。精密発酵によるヘム「HEMAMI」を商用化したMotif FoodWorks自身、製品をスケールアップする課題に直面してきた。

「HEMAMI」の商用化に成功してから、同社は自社の知見、技術、生産施設を活用し、商用化の過程にある他社を支援できるチャンスを見出したという。

Motif FoodWorksは現在、ベンチスケールのサービスを提供しているが、長期的にはパイロットスケールでの支援体制の構築を計画している。データベース「Capacitor」によると、同社は現在、9リットル~99リットルのバイオリアクターを使用している

同社でバイオサイエンス・アナリティクス副部長を務めるPhilippe Prochasson氏は次のように述べている。

「私たちの経験を活かして、数年前の私たちと同じ立場にある他社を支援できることを嬉しく思います。私たちの総体的なイノベーションプロセスを使用することで、他社が技術を迅速に開発し、商品化するのを手助けできます」

スケールアップを支援する企業が増加

出典:パーフェクトデイ

精密発酵の領域で、自社の知見と設備で他社のスケールアップを支援する事例はMotif FoodWorksが初めてではない。

米パーフェクトデイは、ホエイタンパク質を使用したアイスクリーム、ミルク、プロテイン製品を市場に投入し、代表的な精密発酵企業としての地位を確立した後、昨年9月、他社の開発・スケールアップを支援する新サービス「nth Bio」を始動した。最初のパートナー企業として、精密発酵で卵白タンパク質を開発するフィンランドのOnego Bioが「nth Bio」を活用している。

Motif FoodWorksやパーフェクトデイの他にも、Liberation LabsScaleUp Bioなどの受託製造を行う企業から、自社生産用のプラットフォームの提供を目指すFermify、他社のスケールアップを支援するBoston Bioworksなど、さまざまな企業が登場している。

 

参考記事

Motif FoodWorks Adds Bioprocessing Services to their Menu

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Motif FoodWorks

 

関連記事

  1. 中国の培養肉Joes Future Foodが約12億円を調達、…
  2. ニュージーランド企業Daisy Labが精密発酵ホエイのスケール…
  3. 発酵技術で代替シーフードに挑むAqua Cultured Foo…
  4. フードロス削減×栄養インスタント食品、イスラエル企業Aninaが…
  5. ビヨンドミートが代替ミルクにも参入か?ビヨンドミルクの商標を出願…
  6. 培養サーモンの米Wildtype、レストラン・小売との提携を発表…
  7. Nature’s Fyndが菌類由来のヨーグルトを開発、来月から…
  8. 英Hoxton Farmsが住友商事と提携、日本を含むアジア市場…

おすすめ記事

味の素、CO2由来のソレイン使用の”第2弾”商品をシンガポールで発売

味の素は、フィンランド企業ソーラーフーズが開発したソレイン使用のアイスクリームを…

Moolec Science、豚タンパク質を作る大豆「Piggy Sooy」で米国農務省の承認を取得

2024年10月18日追記これまでの動きから、YEEAプロジェクトは高い可能性で精密発酵に関…

Shiok Meatsが細胞由来の培養ロブスター試作品を発表、2022年までの商品化を目指す

このニュースのポイント ●シンガポールのShiok Meatsが培養…

海藻由来の代替タンパク質を開発する米Trophic|大豆に代わるタンパク質源の「主役」となるか?

植物ベースの代替肉といえば、大豆、えんどう豆などが主流だが、数年後には、海藻が主…

フルーツジュースの砂糖を減らすイスラエルのBetter Juiceが約8.8億円を調達

天然ジュースの砂糖を減らす技術を開発するイスラエル企業Better Juiceが…

アニマルフリーなチーズを作るChange Foodsが約2.3憶円のシード資金を調達

精密発酵でアニマルフリーなチーズを開発するChange Foodsが、シードラウ…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(04/24 15:02時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(04/24 00:50時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(04/24 04:47時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(04/23 21:03時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(04/24 13:06時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(04/24 00:05時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP