Foovo Deep

イスラエルの精密発酵企業Imagindairyが米国でGRAS自己認証を取得、乳製品では3社目

 

イスラエルの精密発酵企業Imagindairyがアメリカ食品医薬品局(FDA)の要求事項に準拠してGRAS自己認証を取得したことを発表した。

乳製品分野では米パーフェクトデイ、イスラエルのRemilkに続く3社目となった。VegnocomistGreen queenなどが報じた。

ImagindairyのGRAS自己認証の取得は、今年5月のダノンによる出資に続くニュースとなる。

イスラエルのImagindairyが米国でGRAS自己認証を取得

出典:Imagindairy

GRASとは、Generally Recognized As Safe(一般に安全とみなされている)の略語で、米国における食品安全に関する独自の認証制度をさす。

製造業者がアメリカで食品素材を販売するには、まずGRAS自己認証を行う必要がある。

製造業者によるGRAS物質のFDAへの通知は自主的なものとなるが、GRASに該当する物質がFDAへ通知され、FDAが異議を申し立てない場合、通知した物質はGRAS物質として「GRAS Notice Inventory」に掲載される

GRAS自己認証の取得は、Imagindairyの精密発酵由来乳タンパク質が食品や飲料に使用しても安全であると考えられること、同社乳タンパク質をアイスクリームなどの代替乳製品に使用し、販売できることを意味する。

乳タンパク質の詳細は明らかにされていないが、カゼインで認可を取得した企業はまだないため、ホエイタンパク質である可能性が高い。

Imagindairyの共同創業者兼CEO(最高経営責任者)のEyal Afergan氏は、「これにより、アメリカの食品・飲料会社と協力して、定番の乳製品のアニマルフリーバージョンを開発できるようになります。大衆市場での導入を拡大するという当社の大きな使命達成に向けた大きな前進です」と述べている。

長期戦略は欧州進出か

出典:Imagindairy

Imagindairyはイスラエル、ハイファ近郊に新しい本社を開設したことも発表した。

この施設には原料ソリューションの研究開発のための最先端の実験室と、試食のためのテストキッチンが備えられている。さらに、大規模な発酵プロセスを試験、実行するためのパイロットラインも含まれているという。

Vegnocomistによると、同社はアメリカ市場とは別に、2023年中にイスラエルでの小売進出も狙っており、Remilkに続き、イスラエルで認可を取る可能性は高い。

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Imagindairy

 

関連記事

  1. 卵黄・卵白に分かれた植物ベースの全卵を開発するFloat Foo…
  2. オイシックス・ラ・大地、サステナブル・シーフード発表会・試食会を…
  3. 精密発酵で代替パーム油を開発するC16 Biosciencesが…
  4. 米Liberation Labs、アメリカで精密発酵工場の建設を…
  5. 投資は減速、規制は動く―GFIレポートで読む2024年の培養肉業…
  6. 酵母由来の代替パーム油で2023年上市を目指す英Clean Fo…
  7. ビーガンペットフードのWild Earthが約25億円を調達、来…
  8. アニマルフリーな乳タンパク質を開発するイスラエルRemilkが約…

おすすめ記事

使用済みビール酵母から代替タンパク質を開発するYeastupが約15億円を調達、スイスで生産工場立ち上げへ

ビールの醸造で生じる使用済みビール酵母をアップサイクルするスイス企業Yeastu…

Oishii Farmが進める植物工場のパッケージ化|年内に国内イノベーションセンター設立へ【セミナーレポ】

2025年5月19日更新(Oishii社確認のもと、一部修正)アメリカ・ニューヨークから1時…

代替タンパク質を「ニッチ」から「定番」に:業界リーダーが語る普及戦略|欧州セミナーレポート

Foovo(佐藤)撮影プラントベース食品(植物由来食品)が一般消費者の「新しい常識」として根付く…

ブラジルの精密発酵企業Future Cow、最初の乳タンパク質試作品を製造

ブラジルのスタートアップ企業Future Cow Technologiesは昨年…

カカオのアップサイクルに取り組むKoaが約21億円を調達、廃棄カカオで農家の追加収入を実現

カカオのアップサイクルに取り組むスイスとガーナのスタートアップ企業Koaは先月、…

Apeel Sciences、鮮度を保てるプラスチックフリーなキュウリ、ウォルマートで販売開始|食品ロス問題の解決に

食品ロス問題に取り組む米スタートアップのApeel Sciencesは、Houwelingグループと…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

リアルセミナー@東京のお知らせ【2025/6/18】

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(05/29 15:12時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(05/30 01:07時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,940円(05/30 05:05時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
2,156円(05/29 21:13時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,980円(05/30 13:17時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(05/30 00:19時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP