写真はOlynsがデザイン、開発したOlyns Cube
コカ・コーラは今月、アトランタ州で開催された全米コンビニエンスストア協会主催の展示会NACS Showで、ペットボトルや缶を収集して自動分別、粉砕するOlynsのリバース自販機を発表した。
コカ・コーラはリバース自販機の導入にあたり、AIによるリサイクルソリューションを展開する米スタートアップOlynsと提携した。
2019年設立のOlynsはリサイクル向けの技術と事業モデルを再考したキューブ(Cubes)を開発している。同社キューブには、あらゆる容器を識別できる高度なAI技術とアルゴリズムが使用されている。
今回発表された自販機本体にもOlynsのキューブが採用されており、従来の自販機よりも、人目を引くインタラクティブなデザインとなる。コカ・コーラは、人通りが多く、ゴミが多く出るコンビニへの設置を想定しているようだ。
Foodnavigatorの報道によると、この自販機は、ペットボトル、アルミ缶、ガラス瓶を投入されると機械学習により自動で資源を判別し、回収用に粉砕する。
ユーザーは資源を投入する際、アプリを自販機にスキャンする。アプリを通じてリサイクルすることで、特典を獲得したり、リサイクル活動を確認したり、対象となる州のボトルデポジットと交換したりできるようだ。
投入された資源は、自販機内部にある粉砕機でアイスホッケーパック程のサイズに粉砕された後、内部の回収用容器に分類される。容器が満杯間近になると、コカ・コーラへ通知が届き、Olynsのギグワーカーネットワークにより、資源が回収されて工場へ送られ、再利用される仕組みだ(記事内の動画参照)。
満杯になる前にギグワーカーに通知がいくようにすることで、自販機が満杯でリサイクルしたくてもできない事態の発生を防ぎ、常にリサイクルできるようにしているという。
コカ・コーラは2030年までに同社が製造する包装容器の100%リサイクル実現を目指している。2022年の時点では、同社が市場に導入したボトル・缶の61%がリサイクルされた。
資源のリサイクルでは自治体と企業による収集、分別、処理が必要になるが、Olynsと提携することで、3ステップの管理にAI技術を活用できるようになった。
各コンビニにこのような自販機が設置されると、各店舗で資源が自動分別、粉砕され、工場へ送られるため、資源の収集・リサイクルの流れが速くなると期待される。
今回発表されたリバース自販機は、包装容器の100%リサイクル実現に向けたコカ・コーラの取り組みとなる。導入店舗を増やすことで、リサイクル率を向上させる施策となるだろう。
参考記事
Coca-Cola showcases Olyns’ reverse vending machine at NACS
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アイキャッチ画像の出典:Olyns