微細藻類を活用した代替タンパク質を開発するニュージーランドのNewFishは今月、微細藻類由来の「Marine Whey Protein」のプロトタイプを発表した。
「Marine Whey Protein」はスポーツや栄養補給のためのタンパク質80%を含む濃縮粉末となり、牛由来のホエイタンパク質に近い栄養特性を備えたものとなる。
同社は2023年年末までにプロトタイプ開発を目標としていたが、予定よりも前倒しでプロトタイプ開発を実現した。
NewFish、微細藻類由来の「Marine Whey Protein 80」プロトタイプを開発
2020年に設立されたNewFishは、微細藻類技術を活用し、高栄養価でタンパク質が豊富な食品原料を開発・製造している。同社はこれまでに、微細藻類株を探索し、人間の栄養に適した成長条件を最適化するため、ニュージーランド第一産業省のファンドから支援を受けている。
今月にはノルウェー・オスロに拠点を置くアクセラレーターKatapult Oceanから資金提供を受けた。
NewFishは、世界62ヵ国から2500社が応募したKatapult Oceanのアクセラレータープログラムに採択された23社のうちの1社となった。このプログラムは影響力の大きい海洋・気候テック企業向けに特別に用意されたものとなる。
NewFishはKatapult Oceanから提供される資金を活用し、自社の微細藻類由来原料の第2段階の開発を進める。また、チームを強化し、今後進出を目指すアメリカのスポーツ栄養市場で自社原料を商用化させるために必要な研究開発を進める考えだ。
米国スポーツ栄養市場への進出に向けた提携
NewFishは微細藻類タンパク質でアメリカのスポーツ栄養市場に進出するため、今年5月にシカゴに拠点を置くSocius Elementsと共同開発提携を締結した。
Market.usによると、世界のスポーツ栄養市場規模は2022年の421億ドル(約6兆2000億円)から2032年には約860億ドル(約12兆8000億円)と、2倍に成長することが予測されている。
プロテインサプリメントは当初、アスリートやボディビルダーに限定されていたが、現在では一般消費者へも浸透しており、健康的なライフスタイルの維持に関心を持つあらゆる階層の人々によって消費されていると同レポートは指摘している。
微細藻類でタンパク質を開発する海外企業6社
今回取り上げたNewFishのほかにも、微細藻類を活用した食用成分の開発は昨今盛んになっている。
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アイキャッチ画像の出典:NewFish