Foovo Deep

Perfat Technologiesによる「次世代オレオゲル」を活用した構造を調整可能な植物性脂肪|創業者インタビュー

 

培養肉、植物肉、微生物由来のタンパク質など、代替タンパク質の開発に注目が集まる一方で、徐々に増えているのが、持続可能な脂肪を開発するスタートアップ企業だ。

バターなどの動物脂肪や、パーム油やココナッツオイルなど熱帯性油脂の生産により引き起こされる環境破壊は、従来の油脂・脂肪に代わるソリューションが求められる主な理由の1つとされる。

ヘルシンキ大学のスピンオフベンチャーであるフィンランド企業Perfat Technologiesは、食品業界に向けて付加価値のある持続可能な代替脂肪を提供するため、2023年6月に設立された。

Perfatは、健康的な植物油脂と材料物理学の専門知識によるオレオゲル技術を組み合わせることで、健康に良い固体脂肪を開発している。

同社の共同創業者兼CEO(最高経営責任者)であるJyrki Lee-Korhonen氏は、「化学修飾を一切行わず、材料物理学に関する知見を活用することで、健康に良い植物油脂の健康的な脂肪酸プロファイルを変えることなく、固体構造を持った脂肪を作ることができます」とFoovoに述べた。

顧客のニーズに合わせて構造を調整できる「次世代のオレオゲル」

出典:Perfat Technologies

オレオゲルとは、ゲル化剤からなる網目構造の中に液状油脂を取り込ませ、全体としてあたかも固体脂肪のような形状をとっている状態をいう。簡単に言うと、ゼリーや寒天中の水を油に変えたイメージだ。

「オレオゲル技術は20年前からあり、新しいイノベーションではありませんが、初期のオレオゲルは機能性が十分ではなく、食品用途ではうまく機能する構造を持っていませんでした。私たちのチームが開発したのは、次世代のオレオゲルです」とLee-Korhonen氏は言う。

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

インタビュー実施時期:2023年11月末

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Perfat Technologies

 

関連記事

  1. 培養フォアグラを開発する仏Gourmey、EUで初めて培養肉の承…
  2. 植物を活用してアニマルフリーな乳製品を開発するMirukuが約3…
  3. 中国企業HaoFoodのピーナッツを原料とする代替肉が上海レスト…
  4. 培養肉企業MeaTechがベルギーに培養脂肪のパイロット工場を建…
  5. ラーメン自販機のYo-Kai Expressが家庭用調理機『Ta…
  6. イギリスのマクドナルドがマックプラントを導入、2022年に全国導…
  7. カンガルーの培養肉を開発するオーストラリア企業Vow、食の変革に…
  8. おがくずから代替油脂を開発するÄIOが約9.9億円を調達、実証プ…

おすすめ記事

欧州における精密発酵企業の規制ステータス最新状況(2024年10月)|欧州セミナーレポート

2024年11月11日 公式の情報・URLを一部追記精密発酵タンパク質の…

イスラエル農務省が設立した培養ティラピアを開発する培養魚企業E-FISHient

イスラエルで新たに培養シーフード企業E-FISHientが設立された。イ…

米MeliBioが欧州進出を拡大、植物性ハチミツをスイスとオーストリアで発売

米MeliBioが開発した植物性のビーガンハチミツが、イギリスでの発売に続き、ス…

培養肉企業アレフ・ファームズ、培養コラーゲン事業への参入を発表

※写真はアレフ・ファームズが2024年の上市を目指す培養コラーゲンのプロトタイプ…

Gelatex、年間300トンの培養肉生産を可能とする足場生産の試運転をスタート

培養肉用の足場を開発するエストニアのGelatexは先月、ナノファイバー材料の開…

ShiruがAIプラットフォームで開発した最初の製品「OleoPro」を商用化

アメリカのバイオテック企業Shiruは今月、AIを活用した最初の食品原料の商用化…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoセミナー開催のお知らせ

Foovo Deepのご案内

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

Foovoの記事作成方針に関しまして

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

最新記事

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(01/17 14:27時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(01/18 00:10時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(01/18 03:58時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
2,156円(01/17 20:26時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(01/18 12:39時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(01/17 23:23時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP