ロボット

世界初の家庭用ペットフードメーカーChefPawがCESに登場

 

フードロボットというと、仕事や子育てで忙しい人向けのキッチンロボットや、レストランを自動化したロボットを思い浮かべる人が多いと思うが、今年のCESにはペットフードメーカーも登場するようだ(Foovoは残念ながら現地参加できなかった)。

ChefPawは、ペットにパーソナライズ化された、安心できるこだわりの食事を提供したい方にぴったりかもしれない。

公式サイトによると、ChefPawは特許出願中の技術により、新鮮な食材を簡単に調理して、わずか40分で約2.7kg(6ポンド)以上の健康的なペットフードを作るという。同社によると、家庭用のペットフードメーカーはChefPawが世界初だという。

専用アプリにあるレシピから選んでドッグフードを作ってもよいし、自分独自のメニューを作ることも可能だ。ChefPawが用意したレシピは20以上あり、アレルギーフリーから、小型犬、シニア犬、元気な犬向けのレシピまで幅広く対応している。

出典:ChefPaw

ChefPawは1台639.98ドル(約92,000円)と、一般的とは言い難い価格だが、ペットが好むレシピを自宅で作りたい人にとっては、長期的には安い買い物になるだろう。同社は、一般的な市販のドッグフードは1ポンド(約0.45kg)あたり10.3ドルするが、ChefPaw を使用すると、1ポンドあたり1.81ドルという低価格でドッグフードを作れると述べている

ただし、アプリとChefPawは連動しておらず、独立して機能する仕組みだ。ユーザーはアプリから好きなレシピを選び、ガイドに従って材料をChefPawに投入する。アプリにあるレシピでも、独自レシピの場合も、アプリが栄養成分の内訳を計算してくれるという。ChefPawは、Nymbleが開発したキッチンロボットを簡易的にしたイメージに近いかもしれない。

透明性のある安心できるペットフード

出典:ChefPaw

ChefPawによると、アメリカでは2013年以降、293のペットフード製品がリコールされた。例えば、米ペットフードメーカーFreshpetは2021年、サルモネラ菌に汚染された可能性がある製品をリコールしている

ペットの飼い主にとってペットの体調不良、病気は大きな心配事だ。新鮮な食材を使って作るホームメイドのペットフードは、使用している食材の新鮮度、透明性の観点から、飼い主にとって安心できる選択肢となるだろう。

Foovoの推測では、ChefPawはビーガンペットフードを与えたい層も呼び込む可能性がある。最新の研究では、ビーガンペットフードを与えられた猫は、肉を与えられた猫よりも一貫して健康的だったという結果が報告されている

各社によるビーガンペットフードの開発も進んでいるが、家庭で新鮮な食材で(長期的には低コストで)作れるビーガンペットフードは、一部のペット愛好家にとって魅力的な選択肢となるだろう。

 

参考記事

ChefPaw to Show Off Home Pet Food Maker at CES 2024

https://www.chefpaw.com/

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:ChefPaw

 

関連記事

  1. 【万博フードテックガイド】──2025大阪・関西万博の注目のフー…
  2. 800DegreesとPiestroが提携し完全自動のピザ自販機…
  3. リング型カクテルメーカーBarsys 360|自宅のミクソロジー…
  4. インドNymbleの料理ロボットJulia(ジュリア)がSKS2…
  5. フードテックの祭典Smart Kitchen Summit 20…
  6. キリンが減塩をサポートするエレキソルトスプーンを発売
  7. xRoboticsのピザロボットがピザ店での試験運用を完了、80…
  8. コンタクトレスなデリバリーロッカーMinnowがSKS2020で…

おすすめ記事

シンガポール発、Fattastic Technologiesの油脂構造化技術による代替脂肪:年内に市場投入へ【創業者インタビュー】

「タンパク質の分野では重要な研究なされていますが、脂肪の問題はほとんど解決されていま…

イスラエル企業Accellta、細胞性乳脂肪で米国市場進出を狙う

出典:Accelltaイスラエルのスタートアップ企業Accellta(アクセルタ)は、幹細胞技術…

New Cultureが世界で初めて精密発酵カゼインでGRAS自己認証を発表

精密発酵でカゼインを開発する米New Cultureが、世界で初めて精密発酵カゼ…

Numilkが家庭用植物ミルクメーカーを発表、クラファンの累計支援額は目標の2倍以上に

感染が拡大する新型コロナウイルスの影響を受け、トッピングやカスタマイズが自由な次…

豆タイプの代替コーヒーを開発するベルギー企業Koppieが資金調達

代替コーヒーを開発するベルギーのフードテック企業Koppieが、プレシードラウン…

中国の細胞性食肉企業Joes Future Food、中国・シンガポール当局と協議進める|第7回細胞農業会議レポート

丁世杰氏 Foovo(佐藤)撮影中国の細胞性食肉(培養肉)企業Joes Future Foodの…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(11/11 16:14時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(11/12 02:49時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(11/12 06:22時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(11/11 22:14時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(11/12 14:15時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(11/12 01:32時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP