北米初のピザ自販機を開発したカナダ企業PizzaFornoがピザ自販機の導入エリアを拡大している。
PizzaFornoのピザ自販機は、帰宅後に調理が必要な食品を販売するタイプではなく、3分で焼き立てのピザを提供してくれるもの。人通りの多い空港、駅、病院、スタジアムなどに設置すれば、レストランが営業していない時間帯でも、24時間いつでも焼き立てのピザを食べることが可能になる。
前回、Foovoで取り上げた2021年時には、PizzaFornoはカナダで28台を導入し、アメリカに最初の1台を導入した段階だった。アメリカ、ミシガン州ジャクソンでの導入から3年経った今、PizzaFornoはカナダ、アメリカ、メキシコという北米3ヵ国への導入を実現するまで成長を遂げている。
ピザ自販機のPizzaFornoが北米3カ国に進出
PizzaFornoは、William Moyer氏とLes Tomlin氏によって2018年に設立された自販機スタートアップ。
PizzaFornoはADIALによってフランスで普及した技術を利用し、欧州ですでに2,200台の稼働実績のある装置でブランドを構築した。2023年12月の時点で、アメリカだけで61箇所で自販機を稼働しており、今後100箇所以上の追加が予定されている。
PizzaFornoはこの最新テクノロジーから特にメリットを得られる場所でサービスを提供することを優先しており、キャンパスや他の「型破り」へ導入を進めているという。具体的には、病院、地下鉄、雑貨店、スタジアム、湖のそば、ショッピングモールなどさまざまな場所に導入されている。
自販機に格納された各ピザには3日間の販売期限があり、期限を過ぎたものは販売されない仕組みとなる。自販機には12インチのピザが70枚保管できる。
注文が入ると、ロボットアームが冷蔵場所から選択された製品を、同社特許取得済みの対流式オーブンに移し、そこで焼き上げる。自販機前の取り出し口から焼き上がったピザが箱に入った状態で出てくる仕組みだ。提供しているピザメニューは全部で6種類あり、ベジタリアンメニューにも対応している。
2023年12月、PizzaFornoはメキシコへの初進出を発表した。メキシコでは2024年を通じて20台が導入される見込みとなる。同社は2028年までに25,000台の稼働を予定している。
ネスレも参入するピザ自販機市場
PizzaFornoは事業展開として、他社にPizzaFornoのブランドでライセンス提供する戦略を採用している。PizzaFornoは「ライセンス」という言葉を使用しているが、フランチャイズのイメージに近い。ライセンシーは、屋内型、屋外型、ATM型の3タイプから選択できる。
PizzaFornoのような焼き立てのピザを提供するピザ自販機は、国内では広島でしか確認されていないが、海外では複数の事例が確認されている。
昨年9月にはネスレが焼きたてのピザを提供する自販機を試験導入することが報じられた。ネスレの自販機では、同社冷凍製品「DiGiorno」が提供されている。一方、Basil Streetのように国際空港への導入まで進んだものの、操業を停止したピザ自販機もある。
海外の動きをふまえると、スーパーで販売される日本ハムによる石窯工房シリーズのピザ製品などが焼きたて式のピザ自販機でデビューしたら面白いと思う。PizzaFornoの今後の導入拡大に伴い、国内でも焼きたて式のピザ自販機のニーズが高まるか注目だ。
参考記事
PizzaForno Breaks Borders: 24/7 Automated Pizzeria Signs 20 Locations Across Mexico
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アイキャッチ画像の出典:PizzaForno