Foovo Deep

多様な植物から葉タンパク質を抽出するThe Leaf Protein Co.、ルビスコで生物多様性を強化【創業者インタビュー】

The Leaf Protein Co.のタンパク質使用のグルテンフリーケーキ

 

植物からルビスコタンパク質を抽出するThe Leaf Protein Co.の共同創業者Fern Ho氏は、「当社のプロセスが商業的に実現可能で環境的に持続可能である点は、抽出プロセスの副産物もすべて販売できることです」と語る。

ルビスコは地球上で最も豊富なタンパク質と言われている。The Leaf Protein Co.は塩生植物であるソルトブッシュから着手し、これまでに18種類以上の植物からルビスコを抽出した。

人口増加に伴うタンパク質需要に対し、大豆、エンドウ豆などの植物性タンパク質はすでに市民権を得ている。しかし、世界には食用の植物種が6,000種以上あるにも関わらず、作物生産の66%はわずか9種に依存しており、特定の作物に生産が集中すると、害虫や病気のリスクが高まるとHo氏は指摘する。

ルビスコはあらゆる植物に存在する光合成に関わる酵素、つまりタンパク質だ。陸上植物の葉だけでなく、海藻や藻類に存在する。つまり、葉から効率的にルビスコを抽出できれば、一部の作物に生産を依存する必要がなくなる。

The Leaf Protein Co.は、食料システムにおける生物多様性を増やすことを目指して2020年にオーストラリアに設立された。

Ho氏に現在の取り組み、同社タンパク質の強み、今後の展望について話を聞いた。

あらゆる植物からルビスコを抽出

共同創業者のFern Ho氏 出典:The Leaf Protein Co.

The Leaf Protein Co.が最初に注目したのはオーストラリア固有のソルトブッシュだ。日本ではなじみのない植物だが、干ばつなどの厳しい環境下でも生育でき、土壌の塩分濃度の高いオーストラリアでは再生可能な植物とされている。

ソルトブッシュは土壌の塩分問題を解決するだけでなく、タンパク質含有量が高い。生育状況によっては、タンパク質含有量は30%に達するという。葉タンパク質の抽出対象として最適な植物といえる。

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

インタビュー実施時期:2024年7月上旬

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:The Leaf Protein Co.

 

関連記事

  1. DAIZが植物性代替卵「ミラクルエッグ」の開発に成功、ハイブリッ…
  2. 培養油脂のMission Barnsが食肉加工企業と提携、培養ソ…
  3. イスラエル大手食品会社Tnuva、代替タンパク質特化のR&Dセン…
  4. オーストラリアのCauldron Fermが約9.3億円を調達、…
  5. GOOD Meatがシンガポールで培養鶏肉の販売を一時停止、再開…
  6. 米BIOMILQ、創業者の元夫との知財紛争で破産申請
  7. 香港グリーン・マンデーが約73億円の資金調達に成功、年内に広東に…
  8. 植物性3Dプリント肉を開発するRedefine Meatが約15…

おすすめ記事

Vivici、精密発酵ホエイでGRAS認証を取得—規制強化が迫る中の進展|GRAS認証・自己認証の現状を図解

オランダの精密発酵企業Viviciが、アメリカ食品医薬品局(FDA)から精密発酵…

シンガポールの研究チームがウナギ細胞株と植物血清の開発に成功

シンガポールの南洋理工大学応用科学部の研究チームは、養殖できない高価値な魚種の独…

中国初の培養肉・微生物タンパク質センターが北京に誕生-未来食品の産業クラスター構築へ

今月、中国、北京市豊台区に同国初となる培養肉・微生物発酵に特化した代替タンパク質…

スペインのRemy Robotics、ロボットによるバーチャルレストラン「Better Days」を米国で立ち上げ

ロボット工学、AI、調理工学を組み合わせてレストラン業界の変革を目指すスペイン企…

オランダのEatch、1日最大5000食を調理できるロボットキッチンを開発

ロボットキッチンを開発するオランダ企業Eatchは、1日に最大5,000食を調理…

Picnicがピザ組み立てロボットの予約注文受付をスタート

ピザ組み立てロボットを開発するPicnicが、予約注文の受付を開始したことを発表…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

次回Foovoセミナーのご案内

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(04/02 14:55時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(04/02 00:41時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(04/02 04:36時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(04/01 20:52時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(04/02 13:01時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(04/01 23:55時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP