国内でオレンジを搾ってジュースにしてくれる自動販売機が登場する中、アメリカではスムージーに特化した自販機が登場している。
2019年、Peter Shapiro氏とStuart Shapiro氏の兄弟は、栄養豊富で便利な飲料を提供するため、非接触型のスムージー自販機「Bleni Blends」を立ち上げた。
この自販機は、60秒で本物の果物、野菜からスムージーをつくることができ、ストロベリーバナナ、グリーンパワー、ピンクドラゴン、トロピカル、コーヒー豆、モカコーヒーなど、多彩なフレーバーが用意されている。さらに、砂糖、人工香料、乳製品、ラクトース、グルテンを含まない、ヘルシーかつアレルギーに配慮したものとなっている。
Shapiro兄妹は自販機ビジネスの可能性に早くから注目しており、2016年にはフローズンヨーグルトロボット「Reis&Irvy」を所有、運営するRobotic Dessertsを共同設立した経歴がある。
Bleni Blendsは設立から5年で全米に展開しており、特に医療機関や大学キャンパスでの導入が進んでいる。
同社は収益性の高い成長を通じて価値を維持し、高めることを意識しており、タッチレス決済を採用しているほか、クレジットカードや職員カード、学生カードにも対応している。
近年、従来の自動販売機に代わるユニークな自販機が次々と登場している。
ドリンクや軽食、冷凍ラーメンなどを購入できる自販機は以前からあるが、カスタムサラダ自販機「Sally」のようにトッピングを選べるパーソナライズ機能を備えた自販機は、消費者の利便性とカスタマイズ性を両立させ、ユーザーエクスペリエンスを大きく高めている。
しかし、Sallyを開発したChowboticsはドアダッシュに買収され、2022年に事業停止が発表された。ほかにも、2022年に事業停止したピザ自販機の「Basil Street」や、フランスのBolkのように現在の活動が確認できない事例もあるが、Bleni Blendsのように順調に展開している成功例も存在する。
例えば、カナダのピザ自販機「PizzaForno」は3年で北米3カ国に展開を実現。2022年には世界初のハンバーガー自販機がアメリカで登場した。また、フィンランドのヘルシンキ・ヴァンター国際空港には3分で熱々のピザを提供する同国初のピザ自販機「FIZZA」が設置されている。FIZZAはフィンランド国内を中心に30箇所に展開している。
欧州で展開するイタリア企業「Let’s Pizza」が開発したピザ自販機は、自販機の中で小麦から生地を作り、トッピングし、焼き上げまで行ってくれるというから驚きだ。生地作成、焼きあげなど途中のプロセスを可視化したエンターテイメント性のあるピザ自販機といえる。
参考記事
Unattended Retail Concept, Bleni Blends, Wins Offer on ABC’s Shark Tank
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アイキャッチ画像の出典:Bleni Blends