出典:Eat Just
イート・ジャストの代替卵Just Eggが、数週間以内にイギリスのオンラインスーパーOcadoで発売される。
The GrocerおよびGreen Queenが報じた。
今回の欧州展開は、同社が緑豆のみから作られた新製品・代替プロテイン粉末「Just One」を発表・展開した動きに続くものである。「Just One」は米スーパーマーケットWhole Foods Marketで販売されている。
今年4月、Vegan Food Groupは欧州市場におけるJust Eggの独占的な製造権・販売権を獲得した。Just Eggは、緑豆を主原料とする液状の代替卵で、普通の卵と同じようにスクランブルエッグ、キッシュ、クレープ、パンケーキなど幅広い料理に使用できる。

出典:Eat Just
植物由来原料を用いて工場で製造されるため、鳥インフルエンザによる供給リスクや動物愛護上の課題を回避できるのも特徴だ。これまでにアメリカ、アフリカ、中国、シンガポール、カナダ、香港、韓国に導入されており、今回ついに欧州市場進出が現実のものとなる。
欧州食品安全機関(EFSA)は2021年、JUST Eggの緑豆タンパク質は新規食品要件において安全だと認め、翌2022年4月には欧州委員会が承認を発表した。イギリスについては、AgFunderの報道によれば、2024年下旬から2025年初頭にかけて「ゴーサイン」を得たとしている。
欧州での承認から実際の販売体制確立まで3年以上を要した背景の詳細は公表されていないが、イギリスに続き、今後他の欧州市場でも販売が予想される。欧州市場向け製品はドイツにあるVegan Food Groupの工場で製造される。

5月に発表された新製品「Just One」 出典:Eat Just
イート・ジャストはこれまでに累計5億個超の鶏卵に相当する販売実績を持ち、2022年時点では、アメリカの植物卵市場で約99%のシェアを占めている。 2025年1月の売上は前年同月比5倍に成長し、購入者の56%がリピーター、さらに91%はビーガンでもベジタリアンでもないと報告されている。
一方、欧州でJust Eggの最初の入り口となるイギリスでは、Crackdというスタートアップが、エンドウ豆を主原料とした液状代替卵をイギリス全土で展開しており、スクランブルエッグやベーキング用途に対応している。

出典:Crackd (2025年8月9日時点)

出典:Crackd (2025年8月9日時点)
Crackdは今年、アメリカの小売進出も実現し、2025年8月時点でテキサス州、ルイジアナ州、イリノイ州を中心とする食料品店で取り扱われている(上記写真)。アメリカ市場向け製品はアメリカで製造されている。
イギリスで確固たるブランドを築いてきたCrackdに対し、他地域で強いブランド力を持つJust Eggがイギリス市場でどこまで存在感を高められるのか。両者がシェアを奪い合うのではなく、代替卵市場全体の拡大につながる展開となることを期待しつつ、今後の動向を見守りたい。
※本記事は、海外メディアの第一報(①、②)をもとに、Foovoの調査に基づいて独自に執筆したものです。出典が必要な情報については、記事内の該当部分にリンクを付与しています。
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アイキャッチ画像の出典:Eat Just