代替プロテイン

中国バーガーキングが植物肉バーガーを発売開始

 

このニュースのポイント

 

中国バーガーキング325店舗に植物肉バーガーを追加

●オランダ企業ベジタリアン・ブッチャーの植物肉パテを使用

●中国のほかに、南米・カリブ海エリアへも導入

●2021年第2四半期以降に中国全店舗に導入予定

ユニリーバの代替食計画の一環

 

 

音声で聞きたい方はこちらから(登録なし・ワンクリックでOK)

 

中国バーガーキングに植物肉バーガーが新たに追加された。

新しい植物肉バーガーは、オランダのベジタリアン・ブッチャーが製造するパテを使用しており、23日より、北京、上海、深圳、杭州のバーガーキング325店舗で販売が開始された。

ベジタリアン・ブッチャーはユニリーバが2018年に買収したオランダの代替肉企業

ユニリーバのプレスリリースによると、2021年第2四半期からは、中国全土のバーガーキング1300店舗でも販売を開始する。

中国のほかに、南米・カリブ海で提携を拡大

中国での植物肉バーガー発売に合わせ、ユニリーバは、南米、カリブ海地域でも植物肉パテの提供でバーガーキングとの提携を拡大していることを発表した。

メキシコ、コスタリカ、コロンビア、バハマ、ドミニカ共和国、ニカラグア、スリナムなどの国でも、バーガーキングのメニューにベジタリアン・ブッチャーのパテを使った植物肉バーガーが追加されている。

ユニリーバはこれら地域でバーガーキングへのパテ提供に対応するため、南米と中国に生産工場をオープンする計画を進めている

2027年までに植物肉・代替乳製品の年間売上10億ユーロを目指すユニリーバ

出典:

ユニリーバは11月に、今後5年から7年に、植物由来の代替肉・代替乳製品の年間売上目標を10億ユーロ(約1200億円)とすることを発表していた。 

具体的な施策としては、傘下のベジタリアン・ブッチャーのマーケットをさらに拡大するとしていた。 

ユニリーバがバーガーキングのサプライヤーとして選定されたのは2019年。

この提携により、ドイツをはじめ、ヨーロッパ、中東、アフリカでThe Vegetarian Butcherの植物性バーガー、ナゲットを販売してきた。

中国市場への参入は、ベジタリアン・ブッチャーのマーケットを拡大させるユニリーバの計画の一部となる

バーガーキングのマヨネーズは現在、卵を使ったマヨネーズを使用しているが、もしかしたら、今後はヴィーガンマヨネーズになるかもしれない。

というのも、ユニリーバは5-7年計画の中で、Hellmann’sのマヨネーズなど代替乳製品の強化にも言及しているからだ。

各国のバーガーキングで増える植物肉バーガー

2019年、バーガーキングは米国でインポッシブル・フーズの代替肉パテを使った植物肉バーガーImpossible Whopperの販売を開始した。

それ以降、各国のバーガーキングで提供される代替パテのサプライヤーをまとめると次のようになる。

北アメリカ・南アメリカ
米国 インポッシブル・フーズ
ブラジル マーフリグ・グローバル・フーズ
メキシコなど南米・カリブ海 ベジタリアン・ブッチャー
アジア
日本 v2food
中国 ベジタリアン・ブッチャー
フィリピン v2food
ドバイ ベジタリアン・ブッチャー
ヨーロッパ
オランダ ベジタリアン・ブッチャー
ドイツ ベジタリアン・ブッチャー
スウェーデン インポッシブル・フーズ

ユニリーバはヨーロッパの25カ国、中東、アフリカでベジタリアン・ブッチャーのパテを提供することで昨年、バーガーキングと取り決めを交わしている。

今回、中国、南米、カリブ海地域でも植物肉パテの提供でバーガーキングと提携するという新たな動きは、2027年までに植物肉・代替乳製品の売上を10億ユーロにするというユニリーバの計画の一部であり、ベジタリアン・ブッチャーを導入するバーガーキングはさらに増えていくだろう。

中国ファーストフードにおける代替肉の現状

中国の主なファーストフードを取り巻く代替肉の現状をまとめると、次のようになる。

サプライヤー 内容
ベジタリアン・ブッチャー(オランダ) 北京、上海、深圳、杭州のバーガーキング325店舗で植物パテとして使用。

2021年第2四半期から全店で提供開始。

ビヨンドミート(米) KFC、ピザハット、タコベルを運営するヤム・チャイナと提携。

上海、北京、杭州、成都のKFCでビヨンドバーガーを販売。

ピザハットのピザでも使用。

スターバックスとも提携。(参照

Starfield(中国)

中国のファーストフード大手Dicosと提携。

2600店舗でStarfieldの代替チキンバーガーを一斉販売。(参照

上記のとおり、中国国内のファーストフードとコラボする企業は、海外勢が多く、中国国内の企業はまだ少ない。

しかし、今月には香港グリーンマンデーのヴィーガンカフェGreen Commonの実店舗が初めて上海にオープンするなど、さまざまな代替肉プレーヤーが虎視眈々と中国市場のパイを狙っている。

2021年にはビヨンドミートの現地工場が2つ稼働を開始することもあり、来年の中国市場における代替肉の競争はさらに激化していくと考えられる。

 

参考記事

The Vegetarian Butcher launches in Latin America and China in partnership with Burger King®

UPDATE 1-Unilever expands Burger King tie-up to launch plant-based Whopper in Latin America, China

Burger King Expands Plant-Based Whopper to China

 

関連記事

 

アイキャッチ画像の出典:中国バーガーキングの画像をもとに運営者が編集

 

関連記事

  1. スイスの培養肉企業Mirai Foodsがシードで約2億3千万円…
  2. 「米ぬか」をタンパク質源に:食糧と競合しない米タンパク質で収益性…
  3. 米Meati Foodsが菌糸体由来の代替肉を製造する生産工場「…
  4. アフリカ発の培養肉企業Mzansi Meat、2022年後半の市…
  5. チーズ大手のベル、精密発酵企業Standing Ovationと…
  6. 欧州における精密発酵企業の規制ステータス最新状況(2024年10…
  7. イリノイ州が精密発酵の推進に向けて、iFAB Tech Hubに…
  8. フードテック現地レポート会・セミナー動画|2025年1月開催(オ…

おすすめ記事

Change Foodsが約13億円を調達、精密発酵の市場投入を加速するパートナーシップを締結

精密発酵によりチーズを開発するChange Foodsは、シードラウンドで追加の…

2024年1月_Foovoセミナー動画・資料(精密発酵・植物分子農業・代替脂肪)

セミナー当日の様子2024年1月に開催したセミナー動画となります(告知ページ…

イスラエルのChickPがひよこ豆由来のビーガンマヨネーズを開発

イスラエルのChickPが、ひよこ豆を原料とした植物性マヨネーズを開発した。…

チェコのBene Meat Technologies、培養ペットフードで欧州当局に登録

2025年4月11日 更新当初、販売認可と記載していましたが、その後の報道で市販前承認を必要…

中国の培養肉企業Jimi Biotechnologyが100%培養鶏肉の開発に成功

中国・杭州を拠点とする培養肉企業Jimi Biotechnology(极麋生物)…

精密発酵食品の現在地──卵白タンパク質・乳タンパク質・ラクトフェリン・甘味タンパク質の販売状況【Foovo独自レポート】

出典:Strive FREEMILKアメリカのスーパーマーケットに広く流通していた精密発酵ホエイ…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

最新記事

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(09/26 16:01時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(09/27 02:21時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(09/27 06:00時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(09/26 22:00時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,980円(09/26 13:57時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(09/27 01:16時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP