代替プロテイン

ユニリーバ傘下の代替肉ブランドThe Vegetarian Butcherが、精密発酵由来の卵白タンパク質の使用で米The EVERY Companyと提携

 

グローバルな代替肉ブランドであり、ユニリーバが2018年に買収したThe Vegetarian Butcherが、精密発酵で卵白タンパク質を開発するThe EVERY Companyとの提携を発表した。

The Vegetarian Butcherは製品のビーガン化に何年も取り組んだ結果、EVERYの「画期的なクリーンラベル成分」が食物連鎖から動物を解放するというThe Vegetarian Butcherの使命にぴったりだったと述べている。

今回のニュースの注目ポイントは2つ。

世界的な大手代替肉ブランドが精密発酵タンパク質を導入することと、ユニリーバが買収したブランドではThe Vegetarian ButcherがBreyersに続き精密発酵タンパク質を導入する2つ目のブランドとなることだ。

▼(参考)ユニリーバは今年2月、Breyersから精密発酵アイスクリームを発売した。

 

The Vegetarian Butcherの代替肉は、これまでバーガーキング、ドミノピザ、Subwayに導入されており、世界55カ国40,000店舗に導入されている欧州を代表するブランドだ。アメリカ、欧州、中国など多くの国のバーガーキングでは、3年前の時点ですでにThe Vegetarian Butcherの代替肉が導入されていた。

しかし、同社代替肉すべてが完全にビーガンに対応しているわけではなく、ミートボールなど一部製品には動物由来の卵白が使用されている。The Vegetarian ButcherはEVERYと提携することで、配合リストの卵白・メチルセルロースをEVERYの卵白タンパク質に置き換えることが可能になる。

代替メチルセルロースを取り巻く状況

出典:The Every Company

AgFunderの報道によると、The Vegetarian Butcherは長い間、成分リストからメチルセルロースの除去に取り組んできた。そして、EVERYの卵白タンパク質がその代替品となり、最終製品の味・食感がよくなるだけでなく、クリーンラベルを実現できることがわかったという。

メチルセルロースは、食品の結合剤として使用される添加剤であり、セルロースを化学修飾することで合成される。ゲル化、乳化安定性、保水性を持ち、特に加熱すると固まり、冷えるとゲルが溶けるという性質により、インポッシブル・フーズやビヨンドミートなど著名な植物肉ブランドにも使用されている。植物タンパク質は保水力が低く結合できないため、メチルセルロースのような保水性のある結合剤が必要となるわけだ。

メチルセルロースは日本では添加物として指定されており、アメリカではGRAS、オーストラリア・ニュージーランドでも使用が認められ、欧州でも一部の食品を除き、幅広い食品に規定の範囲内で使用が認められるなど、主要市場で安全性が認められた添加物だ。

しかし、イスラエルのフードテック企業Mealaが指摘するように、メチルセルロースを含む代替肉は消費者からは「超加工製品」とみなされ、歓迎されないリスクがある。メチルセルソースを使用すると、簡素な原材料リスト、なじみのある原料を使用するというクリーンラベル基準を満たせないため、スタートアップのなかにはMeala、Revyve、Plantible Foodsのように代替メチルセルロースを開発する企業も近年増えている。

The Vegetarian Butcherの製品でメチルセルロースを使用した製品にはチキンナゲット、鶏胸肉などがあり、今回の提携は、自社製品のさらなるビーガン化とクリーンラベル化に向けたものといえる。

精密発酵卵白タンパク質の可能性

出典:The Every Company

EVERYの卵白タンパク質を使用した製品を販売するには、各地域での規制当局の認可が必要になる。EVERYはアメリカではGRAS認証を取得しているものの、欧州では販売認可を取得した精密発酵タンパク質企業はまだ1社もない。

AgFunderの報道によると、EVERYはEUとイギリスで新規食品の承認申請を提出済みのようだ。The Vegetarian Butcherはイギリスを主要ターゲットにしているが、どの地域から発売するかは認可プロセスの進展による。

EVERYは昨年10月、代替肉製品で結合剤として使用される卵白を置き換えるために南米の大手加工食品会社Grupo Nutresaと、昨年5月には代替肉の共同開発でプラントベースブランドAlpha Foodsとの提携を発表した。Grupo、Alpha Foodsに続き、大手代替肉ブランドのThe Vegetarian Butcherと提携したことで、精密発酵による卵白タンパク質を代替肉に使用する動きは増えていくだろう。

次の展開として、ビヨンドミート、インポッシブル・フーズなど世界的な代替肉ブランドが脱メチルセルロースに向けて、EVERYと、あるいは認可はまだだが精密発酵で卵白タンパク質を開発するOnego Bio、Eggmented Reality、OTROなどと提携する展開もあるかもしれない。

 

参考記事

The Vegetarian Butcher partners with The EVERY Company

Unilever brand The Vegetarian Butcher partners with ‘animal-free’ egg protein pioneer The EVERY Co

 

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アイキャッチ画像の出典:The Every Company

 

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