サムスンはCES2021でレシピ検索から買い物機能まで備えたSmartThings Cookingを発表した。
サムスンのスマート冷蔵庫Family Hubで人気の高かった機能を、SmartThingsアプリに新しい機能「SmartThings Cooking」として追加した。
SmartThingsアプリとは、サムスンのスマートテレビ、スマート冷蔵庫、スマート洗濯機など、すべてのIoTデバイスを1つのアプリで制御することを可能としたもので、CES2018で最初に発表された。
今回、このSmartThingsアプリに新しい機能となるSmartThings Cookingの追加が発表された。
SmartThings Cookingは、スマートフォン、サムスンの調理デバイス、スマート冷蔵庫Family Hubをつなぐ。
https://youtu.be/LJTryvWD4Tg
アプリを通じて、レシピの検索から、食材の購入、1週間の食事計画・準備までをシームレスに行うことができる。
SmartThings Cookingができる機能は次のとおり。
・好み・冷蔵庫にある材料に応じてパーソナライズされたレシピを提案
・1週間の食事プランを提案
・Whiskネットワークを通じた買い物機能(ウォルマート、クルーガー、インスタカート、Amazonフレッシュ)
・アプリを通じて料理のつくり方をガイド
・同期されたサムスンの調理デバイスにレシピの指示を送信(温度、焼き加減、時間など)
今回発表されたSmartThings Cookingは、WhiskのフードAIによる機能を使っている(サムスンネクストは2019年3月にWhiskを買収)。
スマート冷蔵庫Family Hubを持っている人なら、アプリと冷蔵庫のCooking Boardスクリーンを同期して、大きな画面に表示することができる。
広がるキッチンOSの波
SmartThings Cookingを使うには、サムスンのキッチン用電子機器をそろえる必要があるが、買い物機能などが追加されたレシピアプリはトレンドになりつつある。
米サイドシェフも似たサービスをすでに展開している。
ウォルマート、Amazonフレッシュと提携し、レシピの検索から食材購入までをノンストップで可能とするサービスを提供している。
このように、レシピ検索から食材の発注、調理時の火力・温度・時間調節などをシームレスでつなぐ概念をキッチンOSといい、フードテックの新しいトレンドとして注目される。
今回、サムスンが発表したSmartThings Cookingも、「買い物」「レシピ」「調理」という、以前であれば連携していなかったバラバラの行動をシームレスにつなげるキッチンOSの1つだ。
日本にもこの動きが広がり始めている。
昨年には、レシピサービスで有名なクックパッドが、アプリ内に送料無料の買い物機能を追加した。レシピ検索と食材の調達がクックパッドのアプリ内で完結する。
購入した食材は、駅、コンビニなど約200か所のクックパッドの「マートステーション」に生産者から直送される。ユーザーは好きな場所・好きな時間に受け取ることができる。
現在は東京・神奈川・埼玉に限定されているが、生産者と消費者を直につなぐ新しいシステムとして、全国に広がっていくだろう。
買出しまでシームレスで対応するレシピサービスの高まりは、コロナウイルスの感染拡大と密接に関係している。
2025年までに食料品EC市場は2500億ドル(約26兆円)の売上になり、食料品全体の21.5%のシェアを占めると予想されている。
参考記事
Samsung Introduces a One-Stop Shop that Curates Every Step of Your Cooking Journey
CES 2021: Samsung’s SmartThings App Adding Shoppable Recipe and Guided Cooking
レシピサービス「クックパッド」、アプリ内に送料無料の買い物機能を追加
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アイキャッチ画像の出典:サムスン