ネスレが植物ベースのヴィーガンキットカットを発売した。
ヴィーガンキットカットは6月半ばから、イギリス、ポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニアで販売が開始された。オーストラリア、ブラジルなどほかの国でもまもなく販売される予定。
新しく発売されたヴィーガンタイプの商品名は「キットカットV(KitKat V)」。
イギリス、ヨークにある製菓研究開発センターで開発されたキットカットVは、ヴィーガンとして認定を受けたもの。
チョコレート、米をベースとした代替乳製品を使い、植物成分とチョコレートをなめらかにブレンドすることに成功した。
動物由来成分を使わず、従来のキットカットと同じウェハースとチョコレートの絶妙な食感を実現し、妥協なきヴィーガンバージョンを開発した。
キットカットVの開発において、代替ミルクとココアの比率の見極めが難しかったとネスレ担当者はコメントしている。
キットカットVは、ネスレのココアプラン(The Nestlé Cocoa Plan)を通じて作られた100%サステイナブルで児童労働を伴わないカカオを使用。
従来タイプのキットカットで使用されていた乳成分は、米ベースの代替品に変更している。この米由来の成分が、完璧な食感と風味を生み出しているという。
🥁 We couldn’t make you wait any longer…
Say hello to new KITKAT V, our iconic crispy wafer now with delicious plant-based chocolate. Enjoy your KITKAT #VeganBreak! 🍫
Find out more here: https://t.co/oeoGzhvIyK pic.twitter.com/enxPURj9La
— KITKAT (@KITKAT) June 14, 2021
ネスレは「キットカットV」の開発について、SNSで要望の多かったヴィーガンキットカットのリクエストに応えたものだとコメントしている。
世界的にプラントベース食品への関心は高まりをみせている。
ネスレはプラントベース食品へ移行したい需要に応え、チョコレート製品だけでなく、米、オーツ麦、大豆、ココナッツ、えんどう豆などを原料にミルク、アイスクリーム、チーズなど代替乳製品も発売している。
乳製品のほかには代替肉にも参入済み。植物肉ブランドHarvest Gourmet、植物魚ブランドVunaに加え、4月には乳製品フリータイプのミロをリリースした。
昨年12月には中国で植物肉Harvest Gourmetを販売開始。この春にはマレーシアに植物ベース食品に特化した工場を開設するなど、フードテックへの取り組みを加速している。
最近では、細胞培養による代替ミルク開発へ向けた準備を進めており、植物ベースに限らず、細胞農業分野でも代替乳製品の製品開発に乗り出している。
今回発売が開始されたヴィーガンキットカットも、やがては代替乳成分に米ではなく、ネスレが細胞ベースで製造した本物の乳成分が使用されるかもしれない。
参考記事
Take a plant-based break – vegan KitKat is here!
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アイキャッチ画像の出典:ネスレ