代替プロテイン

ネスレがヴィーガンキットカットの販売を欧州で開始!

 

ネスレが植物ベースのヴィーガンキットカットを発売した。

ヴィーガンキットカットは6月半ばから、イギリス、ポーランド、エストニア、ラトビア、リトアニアで販売が開始された。オーストラリア、ブラジルなどほかの国でもまもなく販売される予定。

新しく発売されたヴィーガンタイプの商品名は「キットカットV(KitKat V)」。

イギリス、ヨークにある製菓研究開発センターで開発されたキットカットVは、ヴィーガンとして認定を受けたもの。

チョコレート、米をベースとした代替乳製品を使い、植物成分とチョコレートをなめらかにブレンドすることに成功した

出典:ネスレ

動物由来成分を使わず、従来のキットカットと同じウェハースとチョコレートの絶妙な食感を実現し、妥協なきヴィーガンバージョンを開発した。

キットカットVの開発において、代替ミルクとココアの比率の見極めが難しかったとネスレ担当者はコメントしている。

キットカットVは、ネスレのココアプラン(The Nestlé Cocoa Plan)を通じて作られた100%サステイナブルで児童労働を伴わないカカオを使用。

従来タイプのキットカットで使用されていた乳成分は、米ベースの代替品に変更している。この米由来の成分が、完璧な食感と風味を生み出しているという。

ネスレは「キットカットV」の開発について、SNSで要望の多かったヴィーガンキットカットのリクエストに応えたものだとコメントしている。

世界的にプラントベース食品への関心は高まりをみせている。

ネスレはプラントベース食品へ移行したい需要に応え、チョコレート製品だけでなく、米、オーツ麦、大豆、ココナッツ、えんどう豆などを原料にミルク、アイスクリーム、チーズなど代替乳製品も発売している。

乳製品のほかには代替肉にも参入済み。植物肉ブランドHarvest Gourmet、植物魚ブランドVunaに加え、4月には乳製品フリータイプのミロをリリースした。

昨年12月には中国で植物肉Harvest Gourmetを販売開始。この春にはマレーシアに植物ベース食品に特化した工場を開設するなど、フードテックへの取り組みを加速している。

最近では、細胞培養による代替ミルク開発へ向けた準備を進めており、植物ベースに限らず、細胞農業分野でも代替乳製品の製品開発に乗り出している。

今回発売が開始されたヴィーガンキットカットも、やがては代替乳成分に米ではなく、ネスレが細胞ベースで製造した本物の乳成分が使用されるかもしれない。

 

参考記事

Take a plant-based break – vegan KitKat is here!

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:ネスレ

 

関連記事

  1. 中国の培養肉スタートアップ南京周子未来食品が約3億円を資金調達
  2. イスラエルの培養肉・代替肉企業6社まとめ
  3. Orbillion Bio、欧州35ヵ国への培養牛肉販売に向けて…
  4. 英当局、培養肉の規制サンドボックスプログラムを始動-安全性とイノ…
  5. スペイン政府がBioTech Foodsの主導する培養肉プロジェ…
  6. ニュージーランド政府、培養シーフード開発に約8.6億円を出資
  7. TissenBioFarmが韓国初の細胞農業支援センターで10K…
  8. 英Hoxton Farmsが住友商事と提携、日本を含むアジア市場…

おすすめ記事

Remilkがデンマークに世界最大の精密発酵工場建設を発表

アニマルフリーな乳タンパク質を開発するイスラエル企業Remilkが、デンマークに…

培養肉はどんな産業を生み出すのか?|SKSJ2020参加レポート

培養肉が社会・環境にもたらすインパクトは大きい。動物を殺さずに肉を作れる…

ビヨンドミートが新しいビヨンドバーガーを5月に全米小売で発売

代替肉巨人のニュースが止まらない。ビヨンドミートが新しい植物肉バーガーを…

植物性の全卵を開発するYo Eggが米国進出を実現、ビーガン落とし卵をレストランで発売

イスラエルの代替卵企業Yo Eggが今月、アメリカ進出を実現した。ひよこ…

Esco Aster、2025年までにシンガポールに新たな培養肉工場建設へ

世界で最初に培養肉製造認可を取得したシンガポール企業Esco Asterが、20…

イリノイ州が精密発酵の推進に向けて、iFAB Tech Hubに約1030億円の出資を発表

アメリカ・イリノイ州は今月、精密発酵によるバイオものづくりを推進するiFAB T…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(04/18 15:00時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(04/19 00:47時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(04/19 04:45時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(04/18 21:00時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(04/19 13:05時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(04/19 00:02時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP