国連食糧農業機関(FAO)によると、世界の養殖魚生産量は1990年から2018年までに527%増加した。
世界的に本物の魚に代わる植物由来または細胞由来の代替魚の開発が加速しているが、依然として世界で消費される魚の大部分は養殖由来となる。
ノルウェーを拠点とするKvarøy Arcticは、過去30年にわたり家族経営により北極圏でサーモンを養殖してきた。Kvarøy Arcticがほかの養殖漁業者と異なるのは、業界で初めてブロックチェーンを導入していることだ。
ブロックチェーンで魚飼料の各原料までも追跡
多くの顧客は、自分が消費する食品がどこから来たものなのか、どのように飼育されたのか、何を飼料としてきたのかを確認したいと思っている。
Kvarøy Arcticは透明性とトレーサビリティを高めるため、業界でいち早くブロックチェーン技術を導入した。
同社は2020年6月、IBMが提供するブロックチェーン技術を活用した食品業界向けのITソリューションFood Trustへの参加を表明し、イクラからパッケージ製品まですべての段階で、顧客が会社に責任を負わせることができるシステムを構築した。
これにより、直接収集された変更されていない「真の」データへ顧客のアクセスを促し、顧客が本当に欲しいものを購入できるようにしている。
「魚がどこで飼育され、どのように餌を与えられ、どのように選ばれたかについて基本的なデータはたくさん持っていました。しかし、これらのデータはすべて断片化されており、別々に保管されていました」。(CEOのAlf-Gøran Knutsen氏)
ブロックチェーンを導入した新しいシステムにより、イクラ、スモルト、収穫、加工に関するデータをブロックに統合した。