代替プロテイン

Current Foodsが生食用代替シーフードのDtoC予約販売受付を開始

 

代替シーフードを開発・製造するアメリカ企業Current Foods(旧Kuleana)は2月、DtoCで代替まぐろと代替サーモンを購入できる予約登録の受付を始めた

以前まではレストラン(Blue Sushi Sake GrillMatthew Kenney Cuisineなど)やスーパーマーケット(Erewhon Market)、ヴィーガン通信販売サイト(GTFO It’s Vegan)からのみ購入可能であったが、今回から自社ECサイトでの購入が可能になる。

代替シーフードのゴールへ着実に近づく一歩

出典:Kuleana

Current Foods共同創業者兼CEOのJacek Prus氏は、「我々が会社を立ち上げてから3年間、ゴールはずっと『海を汚染することなくシーフードのベストな味や食感、栄養価を創造すること』だった。今回のリリースは、このゴールへ近づくための大きな一歩になる」と話している。

「これらの商品は毎日の食卓に並べられるようになるので、皆さんにはポケやマリネ、クルードなどで楽しんでほしい」とJacek氏は話す。

“2021年最高の発明“に選出されたCurrent Foods

出典:Current Foods

Current Foodsの代替シーフードは、雑誌Timeで「THE BEST INVENTIONS OF 2021」として選出され、「Catch of Tomorrow」と掲載された。

今までは代替肉が主流であり、ここ数年で代替肉は消費者が手に入れられるまで味や栄養が研究されている。一方、代替シーフードに関しての研究はそこまで進んでいなかった。

そのような中Current Foodsは、栄養価も高い代替シーフードを藻類や麹、大根、竹、じゃがいもなどの植物性食材を使って作った生食用の代替まぐろを開発した。代替まぐろには鉄分やビタミンB12、オメガ3脂肪酸などが含まれており、プラスチックや水銀、高いコレステロールは含まれていない

栄養価がさらにアップし、顧客ターゲット層の拡大へ

出典:Current Foods

Current Foodsは100%植物性の食材を使って代替シーフードを製造しているが、現在使用している材料のひとつであるエンドウ豆たんぱくは、商品にさらに高いたんぱく質を含ませられるほか、その他のオメガ3DHA、鉄分、ビタミンB12、食物繊維の価値を高めることができる。その結果、さらに多くのフレキシタリアンやその他菜食主義者へ訴求することができるようになる。

またCurrent Foodsの代替まぐろはポケ用とスタンダードな切り身の2種類で販売されており、冷蔵だと7日間、冷凍だと最高1年間保存することが可能である。

そしてまぐろと同じように、新しいスモークサーモンもアップデートされており、まぐろもサーモンも、セビーチェ(魚介のマリネ)やカルパッチョ、刺身などで食べることができる

日本の代替シーフード企業

日本では昨年8月、DAIZが植物性ツナの販売を開始した。

ネクストミーツも代替シーフードへ進出を始めている。昨年10月に自社ECサイトで植物性タンパクを主原料としたツナの代替食品「NEXTツナ1.0」を発売、12月にはドラックストアでの販売を開始している。

自社工場を着工するなど、日本の代替肉・代替シーフード業界も盛り上がりを見せている。

 

参考記事

Current Foods Making Waves Bringing Plant-Based Sushi-Grade Seafood Direct to Consumer

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Current Foods

 

関連記事

  1. ビヨンドミートとペプシコの合弁会社Planet Partners…
  2. 韓国の培養肉企業CellMEATが約4億7千万円を調達、培養肉の…
  3. CO2を原料にタンパク質開発する米NovoNutrients、カ…
  4. 【現地レポ】Quornのマイコプロテインを食べてみた@シンガポー…
  5. Motif FoodWorks、分子農業でヘムを開発するためパー…
  6. 二酸化炭素からタンパク質を開発するAerbio、オランダでパイロ…
  7. 培養フォアグラを開発する仏Gourmey、EUで初めて培養肉の承…
  8. 韓国の培養肉企業SeaWith、2030年までに培養ステーキ肉を…

おすすめ記事

【現地レポ】カナダのNew School Foods、ホールカットの植物サーモンを米国で2024年に発売へ

カナダ、トロコンを拠点とするNew School Foodsはホールカットの植物…

原材料と市場投入で見る代替チョコレート・代替カカオの現在地|18社の動向を俯瞰【Foovo独自レポート】

昨年、西アフリカでは干ばつや病害の影響でカカオ豆の収穫量が大幅に減少し、世界的な…

魚の培養脂肪を開発するインパクファット|日本人研究者がシンガポールで挑戦

畜産による環境負荷を軽減するため、植物由来や菌類由来の代替肉の普及が世界的に加速…

代替マグロの切り身を開発する米Impact Food、年内の市販化を目指す

水産資源の枯渇が懸念される中、カリフォルニア州サンマテオに新たな代替シーフード企…

代替脂肪としてのオレオゲルの食品応用における課題と認可の事例|Foovo独自調査

トランス脂肪酸を含まず、飽和脂肪酸が少ない固体脂肪の代替品として近年、オレオゲル…

携帯可能なアレルギーセンサーを開発するAllergy Amuletが約4億5000万円を調達

食品のアレルギー物質を調べるポータブルデバイスを開発するAllergy Amul…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(04/18 15:00時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(04/18 00:47時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(04/18 04:45時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(04/17 21:00時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(04/18 13:05時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(04/18 00:02時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP