Foovo Deep

植物肉企業Plantedが約100億円を調達、植物由来の鶏胸肉を発売

 

植物由来の代替肉を製造販売するスイス企業Plantedは1日、シリーズBラウンドで7000万スイスフラン(約100億円)を調達した。アメリカのプライベート・エクイティ・ファンドL Cattertonがラウンドを主導した。

Plantedは調達した資金で新しい厚切り肉製品を発売し、生産能力・海外進出を拡大し、新しい生産施設を建設する。同社は資金調達とあわせ、今月にも代替鶏胸肉をドイツのレストランで発売することを発表した。

植物肉企業Plantedが約100億円を調達

新製品の代替鶏胸肉 出典:Planted

Plantedはこれまでの押出しプロセスに加え、タンパク質の構造化とバイオテクノロジーをかけあわせた独自のBiostructuring技術により、複雑な構造、食感、ジューシーさ、柔軟性を備えた厚切り肉の開発が可能になったとしている。

Planted共同創業者のChristoph Jenny氏は、「私たちは現在、鶏ささみ肉、パティ、鶏胸肉などホールカット製品を発売する最終段階にあります。これらは、添加物を使用していない最初に市販される厚切り肉であり、最初に外食産業で入手可能になります」とコメントしている。

資金調達の発表に続き2日、Plantedは代替鶏胸肉を正式に発表した。この製品について同社は、「構造、味の点で動物由来の鶏胸肉に劣らず、全く同じように加工できる、添加物を使用しない初の植物性厚切り肉」だと表現している

出典:Planted

水、黄えんどう豆のタンパク質と繊維、菜種油、塩、酵母のみを使用して製造されたPlantedの鶏胸肉は、ベルリンのレストラン「TIM RAUE」で今月15日に発売される。これは、有名シェフTim Raue氏とのコラボで発売され、レストランメニューに追加される。今後、さらなるローンチを予定しているという。

同社は味、持続可能性、健康、効率性、価格の点で、Biostructuring技術によって開発された代替肉が将来、動物肉を上回ると確信している。

Plantedはこれまでに「planted.™chicken」、「planted.™pulled」、「planted.™kebab」、「planted.™schnitzel」の4製品を販売していたが、今後は厚切り肉も展開していく。

欧州6カ国に進出、来年には市場を拡大

出典:Planted

今回の発表は昨年3月に行われた約19億円の資金調達に続くものとなる。

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Planted

 

関連記事

  1. Yali Bioが精密発酵による代替乳脂肪を使用したアイスクリー…
  2. 培養肉の進展と課題-タフツ大学デイビッド・カプラン教授が都内で講…
  3. 精密発酵スタートアップが欧州の「不透明な」規制枠組みの改善に向け…
  4. スイスの培養肉企業Mirai Foodsがシードで約2億3千万円…
  5. 培養肉スーパーミートと欧州大手養鶏企業PHW、培養肉の欧州導入で…
  6. 微生物で世界に挑戦|合成生物学の世界大会iGEM参加のため、東大…
  7. 誰もが食べられるグルテンを開発するUkko、食品アレルギーにパラ…
  8. イスラエルの培養肉企業Steakholder Foodsが日本で…

おすすめ記事

タイソンフーズが出資するFuture Meatが培養鶏肉のコストダウンに成功、2022年に市販化へ

イスラエルの代替肉企業Future Meatは、自社の培養鶏肉の生産コストを1/…

仏Bon Vivantが精密発酵ホエイでGRAS自己認証を取得|アメリカ認証状況を時系列で振り返る

フランスの精密発酵企業Bon Vivantは今月、精密発酵で生成したβ-ラクトグ…

Motif FoodworksがSolar Biotechとの提携を拡大、精密発酵タンパク質の「AWS」が加速

精密発酵プラットフォーマーSolar Biotech(ソーラー・バイオテック)は…

ビーガンチーズを開発するMiyoko’s Creameryが約57億円を調達

植物ベースのビーガンチーズを開発するMiyoko’s Creameryがシリーズ…

おがくずから代替油脂を開発するÄIOが約9.9億円を調達、デモプラントの建設へ

当初の記事では「実証プラント」としていましたが、「デモプラント」に表現を修正しました(2025年3月…

SavorEatがパーソナライズ化された3Dプリント植物肉バーガーを発表

イスラエルのSavorEatは28日、3Dプリンターを搭載したロボットシェフのプ…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,707円(04/16 15:00時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(04/16 00:46時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(04/16 04:45時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(04/15 21:00時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(04/16 13:05時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(04/16 00:01時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP