Foovo Deep

米The Better Meat Co.がマイコプロテイン由来のフォアグラをリンクトイン本社で提供

 

マイコプロテインを使った代替肉を製造販売する米The Better Meat Co.が、カリフォルニア、サニーベールにあるリンクトイン本社で、代替フォアグラと代替ターキーハム(七面鳥のハム)を提供した。

今月最初の一週間、リンクトイン本社勤務の従業員は、マイコプロテインを使って作られた代替フォアグラを食べる機会を得た。

カリフォルニア州では生産方法に動物倫理上の問題があるとして、動物由来のフォアグラの販売は禁止されている。これに対し、動物の代わりにマイコプロテインを使ったThe Better Meat Co.の代替フォアグラはカリフォルニアで唯一合法的なフォアグラとして提供された。

同社CEOのPaul Shapiro氏は、「光栄なことにBon Appetit Management Co.と提携して、リンクトインのチームメンバーに未来の味を提供できました」とコメントしている。

生産期間が1日未満のマイコプロテイン「Rhiza」

出典:The Better Meat Co.

2018年に設立されたThe Better Meat Co.は、B2B向けにマイコプロテインを使った代替肉を製造販売している。

カリフォルニア州サクラメントを拠点とする同社は、菌糸体由来のマイコプロテイン「Rhiza(リザ)」を使い、ステーキ肉から鶏胸肉までさまざまな代替肉製品を生産している。

「Rhiza」の生産プロセスではじゃがいものデンプンなど農業副産物をアップサイクルして、微生物発酵により1日かからずにマイコプロテインを生成している。

The Better Meat Co.によると、「Rhiza」は植物肉の生産で通常使用される、押出による植物タンパク質単離物よりもニュートラルな風味と、肉らしい食感を備えた食品成分となるという。その多様性について同社は、「ひき肉からブロック肉の代替品として比類のないものだ」と主張している。

「Rhiza」は卵よりも多くのタンパク質、牛肉より多くの鉄分、バナナより多くのカリウムを含む、アレルゲンを含有しない「完全なタンパク質」だという。

出典:The Better Meat Co.

生産で行う唯一の処理は「水の除去で、用途によっては細断すること」だとShapiro氏は海外メディアのインタビューで回答している。分別、単離、押出といった通常の植物肉生産で必要となるプロセスを介さずに「発酵を通じて肉らしい食感を備えた食品を生産」している。

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:The Better Meat Co.

 

関連記事

  1. 目の前で焼かれる培養肉、その香りはまさに牛肉だった|関西万博レポ…
  2. 精密発酵でカカオを使わずにチョコレートを開発する独QOAとは
  3. 発酵技術で代替シーフードに挑むAqua Cultured Foo…
  4. 全自動のパン製造ロボットBreadBot、昨年より米スーパーに本…
  5. 米Uprootによる大学向けの植物ミルクディスペンサー|植物ミル…
  6. プラスチック使用削減のために食用スプーンを開発したIncrEDI…
  7. 藻類を活用した代替タンパク質製品を開発するAlgama Food…
  8. 培養肉スーパーミートと欧州大手養鶏企業PHW、培養肉の欧州導入で…

おすすめ記事

チリのユニコーン企業NotCoが約259億円を調達、アメリカに続き欧州・アジアを目指す

代替ミルクなどプラントベース食品を開発するチリのユニコーン企業NotCoがシリー…

乳業大手フォンテラとDSMが精密発酵スタートアップ設立を発表

ニュージーランドの大手乳業メーカー・フォンテラ(Fonterra)とオランダ大手…

【世界初】Shiok Meatsが試食会で培養カニ肉料理を発表

培養シーフードを開発するシンガポール企業Shiok Meatsが、培養カニ肉の試…

CO₂タンパク質を開発する米NovoNutrientsが事業終了──資産売却で技術継承めざす

出典:NovoNutrientsCO₂由来タンパク質を開発するガス発酵スタートアップの米Novo…

菌糸体由来のブロック肉を開発するMeati FoodsがD2C販売をスタート、24時間で完売に

菌糸体由来のブロック肉を開発するアメリカ企業Meati Foodsは14日、自社…

代替エビを開発するNew Wave Foodsが約18億円を調達、3月末までに飲食店で提供予定

植物ベースの代替魚開発に取り組むNew Wave Foodsが、シリーズAラウン…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(11/26 16:17時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(11/26 02:58時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(11/26 06:31時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(11/26 22:20時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(11/26 14:19時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(11/26 01:36時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP