代替プロテイン

米Lypid、独自のビーガン脂肪を使用した代替豚バラ肉Lypid Pork Bellyを米・アジアで発売

 

植物肉向けの代替脂肪を開発する米Lypidは4月、独自の代替脂肪を使用した植物性豚バラ肉Lypid Pork Bellyをアメリカ、台湾市場に導入することを発表した。これは、Lypid初のB2B向け植物肉製品となる。

Lypidは今後、アメリカ・アジアの食品ブランドやサプライヤーとの連携をさらに拡大することを計画している。

共同創業者兼CEO(最高経営責任者)のJen-Yu Huang氏は、「植物由来食品の人気が高まっているにも関わらず、ホールカットの代替肉の不足は依然として課題です。現在市販されている植物由来製品の大部分がひき肉状であり、レシピや食事体験の汎用性を制限しています」と、現状の代替肉市場の課題を指摘している。

その上で、「Lypidの豚バラ肉は、代替肉市場のギャップを埋める幅広い可能性をもたらす新しい選択肢となります。一流のレストランと協力して、当社の革新的製品で持続可能な食文化を推進していくのが楽しみです」と述べている。

PhytoFat 出典:Lypid

Lypidが開発した「PhytoFat」は、植物肉を本物の肉のような味わいにする代替油脂となる。

独自のマイクロカプセル化法を使用して開発された、97%のビーガンオイルと水で構成される「PhytoFat」は、165℃以上で調理しても動物油脂のような特性を保持し、植物肉の風味と食感を高めることができる。

Lypidは今年、FoodBev Mediaが主催した2023 World Food Innovation Awardsで「Ingredient Innovation」賞を受賞している

100%植物原料と「PhytoFat」で作られたLypid Pork BellyについてLypidは、「ジューシーで肉らしい植物性豚バラ肉であり、味と食感は申し分のないものだ」と自信を見せる。

従来のポークベーコンと比較すると、飽和脂肪酸、カロリー、塩分がそれぞれ85%、39%、69%低く、高タンパク質で、抗生物質・コレステロールは含まれていない。ソテー、フライ、焼くなどさまざまな調理に適しているという。

23Publicで提供されるLypid Pork Belly料理 出典:Lypid

Lypidはすでに、アジア大手のコーヒーチェーンLouisa Coffeeと提携し、台湾の500以上の店舗で同社代替脂肪「PhytoFat」を使用した植物由来バーガーパテを提供している。

台湾では4月以降、プラントベースレストランBaganHoodやクラフトビールバー23Publicなど一部レストランで、Lypid Pork Bellyを使用した限定料理が提供されている。同社はアメリカのレストランでもLypid Pork Bellyの提供を開始している。

 

参考記事

Lypid Launches World’s First Plant-Based Pork Belly in the US and Asia Pacific

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Lypid

 

関連記事

  1. イスラエルのFuture Meatが培養肉の生産コスト削減に再び…
  2. FAOとWHOが培養肉の安全性に関する新レポートを発表
  3. トマトで代替マグロを開発するスペイン企業Mimic Seafoo…
  4. オランダのモサミート、培養脂肪で英国初の承認申請を提出
  5. インドの代替卵企業Evo Foodsが約8900万円を調達
  6. 米Omeatがロサンゼルスで培養肉のパイロット工場を開設
  7. 世界初、ニホンウナギ由来の不死化脂肪前駆細胞株を樹立──“脂の乗…
  8. ドイツのFormo、麹菌由来のビーガンチーズを発売|約86億円の…

おすすめ記事

米Pairwise、アメリカ初のCRISPR編集食品を発売

ゲノム編集技術を活用して農産物を開発する米Pairwise(ペアワイズ)は、Co…

【2024年】培養魚企業レポート販売開始のお知らせ

更新日:2025年6月10日2025年最新版の予約注文を受付中です。…

国内初|グリーンカルチャーが植物性ゆで卵の開発に成功

植物肉Green Meatで知られる日本のスタートアップ企業グリーンカルチャーが…

ユニリーバ、精密発酵アイスクリームをBreyersブランドで発売|パーフェクトデイのホエイを使用

食品・日用品大手のユニリーバが精密発酵に参入した。今月22日、ユニリーバ…

世界初の培養サーモン、米国で認可──WildtypeがFDAの「質問なし」レターを取得、オレゴン州ポートランドで販売開始

アメリカ、オレゴン州ポートランドの住民は、これまでにない新しいサーモンを味わう機…

再生医療学会・培養肉シンポジウムレポート|再生医療研究者が「培養肉」をテーマに集結

先月開催された第21回日本再生医療学会総会では初の試みとして、「培養肉開発の現状…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(12/03 16:20時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(12/04 03:01時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(12/04 06:34時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(12/03 22:22時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(12/03 14:20時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
698円(12/04 01:40時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP