砂糖を削減する酵素技術を開発したイスラエル企業Better Juiceが、世界的な食品原料メーカーであるイングレディオン(Ingredion)との提携を発表した。
イングレディオンは、世界120ヵ国以上で原料を供給するシカゴに拠点を置くグローバル企業。プレスリリースによると、イングレディオンのベンチャー部門Ingredion VentureがBetter JuiceのシリーズAラウンドを主導し、同社技術のアメリカ市場への導入を加速させるという。
この発表は、Better Juiceがイスラエルに商用施設の設置を発表したニュースに続くものとなる。
食品の美味しさにおいて砂糖は重要な成分だが、過剰摂取により健康上の不安が懸念されるため、砂糖のイノベーションに取り組む事例は増えている。
砂糖を代替するソリューションに取り組む企業が多い中、Better Juiceはフルーツジュースなど天然のドリンクに含まれる“すでにある”砂糖を減らし、付加価値のある成分に変換する砂糖削減技術を開発した点で、独自のポジションを築きつつある。同社はフルーツジュースだけでなく、他の飲料にも用途の拡大を目指している。
砂糖削減ソリューションを重視するイングレディオンとの提携
Better Juiceは製品のビタミン、ミネラル、有機酸などの栄養を保持しながら、砂糖を食物繊維や難消化性糖などの消化されにくい化合物に変換する酵素技術を開発している。
これにより、ジュースの甘さの大部分を保持しながら、製品中に含まれる砂糖を減らすことを可能になる。
同社のプロセスでは、非遺伝子組換え微生物から構成される独自ビーズから生成される酵素により、ジュースに含まれるブドウ糖、果糖、ショ糖などの糖が身体に良いプレバイオティクスや難消化性化合物に変換される。結果、糖の摂取を30~80%削減することができる。
製造で使用するビーズは、生分解性ポリマーでできており、製造後は家畜の飼料として再利用されるため、廃棄物は最小限に抑えられているという。
イングレディオンがBetter Juiceとの提携を決めた背景には、イングレディオンが砂糖削減・代替砂糖分野を成長産業とみていることと関係している。
関連記事
アイキャッチ画像の出典:Better Juice