Foovo Deep

代替コーヒー開発の最前線:注目のスタートアップ10社とその市場投入動向

2025年2月:一部情報を更新

 

コーヒーは世界的に人気のある飲料だが、コーヒー需要が高まる一方で、コーヒー豆の生産はさまざまな課題に直面している。

コーヒーが栽培される地域は赤道周辺であり、気候変動の影響を受けやすい。気温の上昇は、コーヒー生産にとって深刻なさび病の原因となるほか、気候変動により2050年にはアラビカ種の生産地が半減する可能性が指摘されている。また、コーヒー生産には1杯あたり140Lの水が必要であり、水使用や温室効果ガスの排出など持続可能でない側面も存在する。

こうした問題に対応するため、欧米・シンガポールを中心に代替コーヒーの研究開発が行われている。代替コーヒーは主に、コーヒーの木の葉から採取した細胞を増やして本物のコーヒーを作る植物細胞培養、アップサイクル原料・植物原料を使用した豆不使用のコーヒーに分類される。

欧州(一部国)ではスーパーマーケットで植物由来コーヒーが既に取り扱われており、シンガポールでもまもなくスーパーでの取り扱いが開始される予定であるなど、一部地域では小売での投入が進んでいる。

スタートアップの動向ではアメリカが多いものの、市場投入のスピード感では欧州(一部国)・シンガポールが先行している印象がある。一方、アメリカでもこの夏から全国展開が予定されるなど、代替コーヒーの一般普及は現実になりつつある。

そこで今回は、代替コーヒーの開発に取り組む10社(+α)を紹介する。植物細胞培養の企業でも試食会開催に向けて動きだしている企業もあり、代替コーヒーの全体的な開発・上市の動向をまとめた。

植物成分を利用して代替コーヒーを開発する企業

Atomo(米/2019年)(アップサイクル)

出典:Atomo

https://www.atomocoffee.com/

デーツの種、チコリの根、ブドウの皮など廃棄されてきた原料を粉砕したものに、他の植物由来の成分を補い、分子組成をコーヒーに近づけることによってコーヒー豆を使わない代替コーヒーを開発。昨年11月にはサントリーホールディングスから出資を受けた2024年4月、年間400万ポンドの豆不使用エスプレッソを製造可能な広さ約3000㎡の生産施設を開設した

 

上市の状況は?

現在は提携カフェで販売しているが、将来は自宅で飲めるタイプのAtomoコーヒーの発売を計画している。2024年5月上旬時点で、全米10箇所の店舗で導入済み。2024年4月、アメリカのカフェチェーン店Bluestone Laneと提携したことで、今後は販路を拡大する。Bluestone Laneは今年8月から58店舗でAtomoの豆不使用エスプレッソを展開する

2024年8月、日本に上陸した(2025年2月追記)。

▼実食レビュー

ここから先は有料会員限定となります。

読まれたい方はこちらのページから会員登録をお願いします。

すでに登録されている方はこちらのページからログインしてください。

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:Puri

 

関連記事

  1. 【2024年】マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート発売のお…
  2. 精密発酵プラットフォームの提供を目指すFermify、カゼインサ…
  3. 中国の細胞性食肉企業Joes Future Food、中国・シン…
  4. シンガポールのPreferが代替チョコレートの試作品を発表、年内…
  5. 「砂糖を再発明する」妥協なき代替砂糖の開発に挑戦するイスラエル企…
  6. 量子ドットを活用して温室フィルムを開発するUbiQD、電気を使わ…
  7. 農作物の残り物を有用成分にアップサイクルするComet Bioが…
  8. 東大竹内研、脂肪を含む5.5cm×4cm×1.5cmの培養肉作製…

おすすめ記事

赤い微細藻類で代替肉を「血の滴る肉」に変えるイスラエル企業Yemoja

微細藻類を活用した成分開発に取り組むイスラエル企業Yemojaは、化粧品用の成分…

ニュージーランド政府、培養シーフード開発に約8.6億円を出資

2024年9月24日更新:記事公開当初、後半で記載のシンポジウムの開催時期を2024年としておりまし…

中国の培養肉企業Joes Future Food、パイロット工場建設のための資金を獲得

中国の培養肉企業Joes Future Food(周子未来)は先月、シリーズAラ…

じゃがいもを原料に代替チーズソースを開発したLoca Foodとは

現在、プラントベースの代替チーズの原料は、カシュー、アーモンド、ココナッツ、大豆…

CO2を原料にタンパク質開発する米NovoNutrients、カロテノイド生産のスケールアップへ

二酸化炭素、水素、微生物を活用して持続可能なタンパク質を開発する米NovoNut…

二酸化炭素から動物飼料用のタンパク質を作るDeep Branchが約10億円を調達

二酸化炭素から代替タンパク質を開発するDeep BranchがシリーズAで800…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

精密発酵ミニレポート発売のお知らせ

最新記事

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

▶メールマガジン登録はこちらから

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

Foovoセミナー(年3回開催)↓

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

2025年・培養魚企業レポート販売開始

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP