デリバリー

米スーパー大手クローガーがドローンによる食料品配達を正式に実施

 

アメリカのスーパーマーケット大手クローガーは6月に、ドローンを使った食料品配達を正式に実施した。

ドローンによる配達はオハイオ州センタービルにある店舗で実施。センタービル市長のBrooks Compton氏の庭に米が2袋配達された。

クローガーはTELEGRID Technologies社の子会社であるドローンエクスプレス(Drone Express)と協力して、ドローンによる実証実験を始めることを5月に発表していた。

センタービルにある「クローガーマーケットプレイス」店舗から1マイルに住む住民はドローンによる配達を注文できる。

ドローンの最大積載量は、約5ポンド(約2.27kg)。現在、ドローンによる配達は無料で、注文から15分以内に配達される。

海外ではスーパーマーケットがドローンによる個人宅までの配達サービスを開始する事例があるが、クローガーは配達先を庭に限定しないことが特徴といえる。

個人宅のほか、公園、海水浴場など、ユーザーのスマートフォンの場所へ荷物を届ける。

これにより、ユーザーは公園でのピクニック、海水浴場での日焼け止めなど、必要が生じたときにその場で商品を注文し、受け取ることが可能になる

クローガーはこれまでにセンタービル店舗近くでテスト飛行を実施していたが、公式に発表されたテスト配達はこれが初めてとなる。

夏にはカリフォルニア州にある「ラルフス」店舗でも2件目の実証実験をスタートする。

ドローンによるフードデリバリーの事例は海外では増えつつある。

ウォルマートはオンデマンドのドローン配達スタートアップDroneUpに出資、ホームタウンであるアーカンソー州ベントンビルで数ヵ月以内にオンデマンドの初テスト飛行を実施する予定。

ウォルマートは昨年にも、DroneUpと提携してコロナウイルス用検査キットのテスト配達を実施していた。

イスラエルのFlytrexは、ドローン配送の試験運用で昨年9月にウォルマートと提携したほか、アメリカのゴルフコースでドローンによる配送サービスを提供しており、3月に約8億7000万円を調達した。

Flytrexは5月に連邦航空局(FAA)から承認を得ている

アイルランドのMannaは、5月に約27億円を調達。アイルランドの港湾都市ゴールウェイでドローンによる食品宅配の試験運用を実施しており、個人宅までにかかる配達時間はわずか3分となっている。Mannaは今年第2四半期にアメリカでサービスを開始する予定

イスラエルのピザハットは、ドローンによるピザの試験配送でDragontail Systemsと提携している。

国内では楽天が三重県志摩市でドローンによる食料品デリバリーを今年1月に期間限定で実施。これはドローンを活用した食料品配送サービスの実用化に向けたものとなる。

 

参考記事

Kroger’s Drone Delivery Officially Takes Off in Ohio

Despite rain, Kroger launches historic first commercial drone flight

 

関連記事

アイキャッチ画像の出典:クローガー

 

関連記事

  1. ドイツ大手小売業者REWE、同社初のビーガン専門スーパーを開設
  2. Cooler Screens|店舗の冷蔵食品棚を動的な広告に変え…
  3. フードロス削減に取り組むオランダ企業OneThirdが約1億90…
  4. 漁業者と消費者をダイレクトにつなげるE-Fish、48時間以内に…
  5. サムスンがIoTアプリに買い物機能を備えた「SmartThing…
  6. ニューヨーク発・シェフと消費者をつなぐCookUnity|パーソ…
  7. 食品ECスタートアップFarmsteadが小売業にGrocery…
  8. オランダの大手スーパー売り場で見る代替乳製品の今|現地レポート

おすすめ記事

Those Vegan Cowboysが精密発酵で作成されたチーズを発表

オランダの植物肉ブランドThe Vegetarian Butcherからスピンオ…

イスラエルの精密発酵企業Remilk、アメリカで上市を実現

食品大手General Millsが、イスラエルの精密発酵企業Remilkの乳タ…

ブラジルのマイコプロテイン企業Typcal、ブラジル州政府から助成金を獲得

ブラジルのマイコプロテイン企業Typcalはブラジル・パラナ州政府のプログラムP…

イスラエルのImagindairy、精密発酵乳タンパク質を生産する工業規模の自社生産ラインを発表

イスラエルの精密発酵企業Imagindairyが、アメリカでのGRAS認証取得に…

米MeliBioの蜜蜂フリーなハチミツ、2023年始めに欧州市場へ

微生物を活用して蜜蜂フリーなハチミツを開発する米MeliBio(メリバイオ)が来…

ERGO Bioscience、植物細胞培養によりミオグロビン・カゼインを開発

アルゼンチンとアメリカに拠点を置くバイオテック企業ERGO Bioscience…

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

最新記事

▼メルマガ登録はこちらから▼

フードテックの海外ニュースを週1回まとめてお届けしております。

 

ご登録いただいた方には、国内外の培養肉開発に取り組む企業101社をまとめたレポート(全23ページ)を無料でお配りしております(2022年3月更新版)。

 

最新のフードテックニュースを逃したくない方におすすめです。

 

 

▶メールマガジン登録はこちらから

▼聞き流しフードテックニュース▼

 

 

 

Foovo Deepのご案内

Foovoの記事作成方針に関しまして

精密発酵レポート・好評販売中

マイコプロテイン・菌糸体タンパク質レポート好評販売中

【2024年】培養魚企業レポート好評販売中

【FoovoBridge】日本のフードテックニュースを海外へ発信する英語サイト

フードテックを理解するのに役立つ書籍

夢の細胞農業 培養肉を創る

夢の細胞農業 培養肉を創る

羽生雄毅
1,760円(03/08 14:47時点)
Amazonの情報を掲載しています
培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

培養肉とは何か? (岩波ブックレット)

竹内 昌治, 日比野 愛子
572円(03/09 00:32時点)
発売日: 2022/12/06
Amazonの情報を掲載しています
フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

フードテック革命 世界700兆円の新産業 「食」の進化と再定義

田中宏隆, 岡田亜希子, 瀬川明秀
1,782円(03/09 04:24時点)
発売日: 2020/07/23
Amazonの情報を掲載しています
マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

マッキンゼーが読み解く食と農の未来 (日本経済新聞出版)

アンドレ・アンドニアン, 川西剛史, 山田唯人
1,980円(03/08 20:45時点)
発売日: 2020/08/22
Amazonの情報を掲載しています
クリーンミート 培養肉が世界を変える

クリーンミート 培養肉が世界を変える

ポール・シャピロ
1,782円(03/08 12:55時点)
発売日: 2020/01/09
Amazonの情報を掲載しています
培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

培養肉の入門書: 趣味・興味・投資・事業の入り口に 培養肉シリーズ

石井金子
498円(03/08 23:44時点)
発売日: 2022/02/20
Amazonの情報を掲載しています
PAGE TOP