シンガポール、日本に拠点を構えるUMAMI UNITEDが開発した植物性の代替卵「UMAMI EGG」が、今月18日にオープンする都内のビーガンレストランOSCARに導入される。
「UMAMI EGG」はこんにゃく粉、かぼちゃ粉末、きくらげなど植物成分を使って開発されたアレルゲンフリーな代替卵となる。
植物性代替卵「UMAMI EGG」が都内レストランに登場
UMAMI UNITEDは、日本人起業家の山﨑寛斗氏が2021年にシンガポールに設立した代替卵を製造販売するスタートアップ。今年3月には日本法人(UMAMI UNITED JAPAN)が設立された。
同社は発酵技術を活用して作られた酵素を利用し、あらゆる野菜から旨みを引き出すことに成功。今年2月、この技術と日本の食材を活用した代替卵パウダー「UMAMI EGG」の業務用販売を開始した。4月には、ベーカリー用にも使える「UMAMI EGG 2.0」を発売。
同社オンラインサイトでは現在、業務用、個人用の「UMAMI EGG」が販売されている。
「UMAMI EGG」は、加熱凝固性、保形性、保水性の特性をもつこんにゃく粉と、酵素技術できくらげから引き出した旨み成分を使用している。豆乳に「UMAMI EGG」パウダーを混ぜて使用し、スクランブルエッグ、オムレツから、パンケーキ、カスタードクリームなど作れるものは多様だ。
同社はまた、「UMAMI EGG」姉妹商品の「らくぷりんミックス」を活用した「おやつでワンテーブルプロジェクト」を実施している。このプロジェクトでは、子どもが食の多様性に触れるきっかけを作るため、全国の幼稚園・保育園などに同製品100食を無償提供している。
山﨑氏はこれまでに、ドイツのNGO団体ProVeg Internationalが主催するインキュベーションプログラムや、シンガポールのフードテック特化型アクセラレーションプログラムBig Idea Venturesに選出されている。
2028年には30億ドル以上に拡大が予想される代替卵市場
UMAMI UNITEDは国内での事業拡大を目指しながら、台湾・香港などアジア市場への進出、その後はアメリカ、欧州進出も視野にいれている。
集団飼育による抗生物質使用のほか、鳥インフルエンザ発生による殺処分、アレルゲンフリー製品への需要などから、代替卵市場は拡大している。世界の代替卵市場は、2021年の19億2000万ドルから2028年には30億ドル以上に拡大すると予想されている。
国内ではキューピーが植物成分を使用した代替卵「HOBOTAMA」を2021年6月に業務用に発売。今年3月には個人向け販売も開始した。
海外では培養肉・植物卵を手掛ける米イート・ジャストが、緑豆を主原料とした液状代替卵「JUST Egg」をアメリカ、アフリカ、中国、シンガポール、カナダ、香港、韓国などグローバルに展開している。同社は4月、欧州当局の認可を取得した。
代替卵の開発では、形態の多様化が見られており、ゆで卵状の製品や、目玉焼きにできるタイプ、さらには殻付きの代替卵も開発されている。アメリカでは、精密発酵技術を使い、鶏卵と同一の卵白タンパク質を開発製造するスタートアップも登場している。
参考記事
【植物生まれのたまご】プラントベースがもっと身近に!UMAMI EGGが都内レストランに続々登場!
【ONE TABLE】UMAMIに特化した日本食プラントベースブランド「UMAMI UNITED」が2月3日(木)発売開始
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アイキャッチ画像の出典:UMAMI UNITED